彼らしい芸術的な右打ちで快挙を成し遂げた。
現地時間4月23日、デトロイト・タイガースのミゲル・カブレラは、本拠地で行なわれたコロラド・ロッキーズ戦の初回にライト前にヒットを放ち、史上32人目となる通算3000安打を達成した。昨年8月22日には史上28人目の通算500本塁打にも到達しており、史上7人目の3000安打&500号達成という偉業も打ち立てた。
【動画】ミギーが通算3000安打達成! 場内感動の瞬間をもう一度
2003年にマーリンズでメジャーデビューしてから20年をかけての金字塔。その間に首位打者4回、本塁打王2回、打点王2回の打撃タイトルを獲得し、オールスター選出11回、シルバースラッガー賞も7回受賞してきた。
20歳でメジャーデビューして初安打をサヨナラ本塁打で飾り、その年のワールドシリーズでは時の大投手ロジャー・クレメンスからも一発を放つなど、早くから傑出した打撃の才能を発揮。デビュー当時は三振が多かったが、年々スイングに無駄がなくなり、円熟味を増していく。ついに完成の域に達したのが2012年だった。
打率.330、44本塁打、139打点はいずれもリーグトップで、1967年のカール・ヤストレムスキー以来45年ぶりとなる三冠王を達成。マイク・トラウト(エンジェルス)を抑えてMVPを受賞すると、翌13年は3年連続となる首位打者に加え、出塁率・長打率もトップで再びMVPを手にした。
こうした数々の偉業を並べるだけでも"ミギー"(カブレラの愛称)の偉大さは伝わるはずだが、数々の日本人選手が惜しみない賛辞を届けてきたこともその凄さに深みを与えてくれるのではないか。
13年オフ、アジア出身投手では最高となるサイ・ヤング賞投票2位に入ったダルビッシュ有(当時レンジャーズ)はその才能を「普通じゃない」と驚嘆。同年に対戦した際、インコースに投じたボール気味の2シームをレフトへの二塁打を打たれ、あまりのスイングに「音だけしてボールが消えた」と表現した。「世界でカブレラしかできない」天才的な打撃に、打たれてもなお感動していた。
上原浩治も記憶に残る最強打者としてカブレラの名前を挙げている。「唯一逃げたバッターですね、僕が。変な残像が浮かんできた。どこに投げてもスタンドに入ってるような残像が投げる時に出てきたんで。あの時は顔を見たくなかった」
日本が誇る好投手から恐れられていた"ミギー"だが、天才は天才を知るのか、同じ3000安打達成者のイチローとは仲が良かった。一塁上で後ろから抱きつき、イチローも笑顔で受け入れる姿が印象的だった。2人はスペイン語や英語、そして日本語で会話していたという。ただ、「盗塁しないで!」とのお願いだけは聞き入れてくれなかった、とカブレラは語っていたことがある。
現在結んでいる契約が満了する23年限りでの引退を表明しているカブレラ。最終的にどこまで数字を伸ばすのか。メジャー史上に残る強打者の"ラスト・ラン"は今後も注目を集めそうだ。
構成●SLUGGER編集部
【関連記事】「ホームランを打つのは難しいね」ミゲル・カブレラが史上28人目の500号本塁打達成で漏らした"本音"
【関連記事】「大傑作だ!」アストロズ打線を牛耳った大谷翔平に反響止まず。エンジェルス幹部も脱帽「彼を見られるのは特権」
現地時間4月23日、デトロイト・タイガースのミゲル・カブレラは、本拠地で行なわれたコロラド・ロッキーズ戦の初回にライト前にヒットを放ち、史上32人目となる通算3000安打を達成した。昨年8月22日には史上28人目の通算500本塁打にも到達しており、史上7人目の3000安打&500号達成という偉業も打ち立てた。
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2003年にマーリンズでメジャーデビューしてから20年をかけての金字塔。その間に首位打者4回、本塁打王2回、打点王2回の打撃タイトルを獲得し、オールスター選出11回、シルバースラッガー賞も7回受賞してきた。
20歳でメジャーデビューして初安打をサヨナラ本塁打で飾り、その年のワールドシリーズでは時の大投手ロジャー・クレメンスからも一発を放つなど、早くから傑出した打撃の才能を発揮。デビュー当時は三振が多かったが、年々スイングに無駄がなくなり、円熟味を増していく。ついに完成の域に達したのが2012年だった。
打率.330、44本塁打、139打点はいずれもリーグトップで、1967年のカール・ヤストレムスキー以来45年ぶりとなる三冠王を達成。マイク・トラウト(エンジェルス)を抑えてMVPを受賞すると、翌13年は3年連続となる首位打者に加え、出塁率・長打率もトップで再びMVPを手にした。
こうした数々の偉業を並べるだけでも"ミギー"(カブレラの愛称)の偉大さは伝わるはずだが、数々の日本人選手が惜しみない賛辞を届けてきたこともその凄さに深みを与えてくれるのではないか。
13年オフ、アジア出身投手では最高となるサイ・ヤング賞投票2位に入ったダルビッシュ有(当時レンジャーズ)はその才能を「普通じゃない」と驚嘆。同年に対戦した際、インコースに投じたボール気味の2シームをレフトへの二塁打を打たれ、あまりのスイングに「音だけしてボールが消えた」と表現した。「世界でカブレラしかできない」天才的な打撃に、打たれてもなお感動していた。
上原浩治も記憶に残る最強打者としてカブレラの名前を挙げている。「唯一逃げたバッターですね、僕が。変な残像が浮かんできた。どこに投げてもスタンドに入ってるような残像が投げる時に出てきたんで。あの時は顔を見たくなかった」
日本が誇る好投手から恐れられていた"ミギー"だが、天才は天才を知るのか、同じ3000安打達成者のイチローとは仲が良かった。一塁上で後ろから抱きつき、イチローも笑顔で受け入れる姿が印象的だった。2人はスペイン語や英語、そして日本語で会話していたという。ただ、「盗塁しないで!」とのお願いだけは聞き入れてくれなかった、とカブレラは語っていたことがある。
現在結んでいる契約が満了する23年限りでの引退を表明しているカブレラ。最終的にどこまで数字を伸ばすのか。メジャー史上に残る強打者の"ラスト・ラン"は今後も注目を集めそうだ。
構成●SLUGGER編集部
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