去る4月2日、わかさ球場京都で、異色のドラフト候補が、プロ12球団のスカウトの眼前で今春初のピッチングを披露した。京都大学医学部人間健康科学科4年の水口(みなくち)創太だ。
同日に開幕した関西学生野球春季リーグの関西大戦に8回からリリーフ登板した水口は、194センチの恵まれた長身を利し、まるで二階から投げ下ろすような角度のあるストレートを投げ込んだ。2イニングで強打者9人を相手に1失点で抑え、昨秋の優勝校である関大の撃破に貢献した。もっとも、本人は「結果として勝てたから良かったですけど、投げてる感覚とか、持ち球を投げれていないので、自分としては納得できなかった」と反省を口にした。
京大は関大との3戦目に4対2で勝利。同カードの勝ち越しを決めて勝点1をゲット。強豪・関大から勝点を取るのは、チーム史上40年ぶりの出来事だった。
ところが、この大一番で連投をしていた水口の姿はマウンドはおろか、ベンチにもなかった。その理由は、決して故障などではない。医学部の実習授業があったからだった。あくまでも学業優先という姿勢は"京大あるある"と言えるだろう。
水口も例外ではない。いわゆるメスを片手に手術台に向かうような医者とは異なるが、彼も理学療法士になるため、医学部で高度な勉強に取り組んでいる。国家資格をベースに、国際的視野を兼ね備えた医療専門職の知識を学んできた。
そんな水口が"野球人"として注目されだしたのは、およそ半年前。昨秋の近畿大戦に遡る。この試合で2番手として登板した右腕は、150キロを超えるストレートに、変化球を交えて2イニングを無失点に抑えると、続く同志社大戦でも150キロ超えを連発。瞬く間に鵜の目鷹の目のスカウトたちにとって垂涎の的となった。
「MAX152キロを記録でき、大きな自信になりました。野球を始めた小学生の頃からプロ野球選手になることを夢見ていましたが、あの試合でハッキリとプロ選手になると決めました」
飛躍のきっかけとなった近畿大戦は、水口にとって人生で忘れられない日となった。そして、本格的にスカウトから注目されるようになり、目標をプロ一本に絞ってからは、就職先も決めなくなった。
同日に開幕した関西学生野球春季リーグの関西大戦に8回からリリーフ登板した水口は、194センチの恵まれた長身を利し、まるで二階から投げ下ろすような角度のあるストレートを投げ込んだ。2イニングで強打者9人を相手に1失点で抑え、昨秋の優勝校である関大の撃破に貢献した。もっとも、本人は「結果として勝てたから良かったですけど、投げてる感覚とか、持ち球を投げれていないので、自分としては納得できなかった」と反省を口にした。
京大は関大との3戦目に4対2で勝利。同カードの勝ち越しを決めて勝点1をゲット。強豪・関大から勝点を取るのは、チーム史上40年ぶりの出来事だった。
ところが、この大一番で連投をしていた水口の姿はマウンドはおろか、ベンチにもなかった。その理由は、決して故障などではない。医学部の実習授業があったからだった。あくまでも学業優先という姿勢は"京大あるある"と言えるだろう。
水口も例外ではない。いわゆるメスを片手に手術台に向かうような医者とは異なるが、彼も理学療法士になるため、医学部で高度な勉強に取り組んでいる。国家資格をベースに、国際的視野を兼ね備えた医療専門職の知識を学んできた。
そんな水口が"野球人"として注目されだしたのは、およそ半年前。昨秋の近畿大戦に遡る。この試合で2番手として登板した右腕は、150キロを超えるストレートに、変化球を交えて2イニングを無失点に抑えると、続く同志社大戦でも150キロ超えを連発。瞬く間に鵜の目鷹の目のスカウトたちにとって垂涎の的となった。
「MAX152キロを記録でき、大きな自信になりました。野球を始めた小学生の頃からプロ野球選手になることを夢見ていましたが、あの試合でハッキリとプロ選手になると決めました」
飛躍のきっかけとなった近畿大戦は、水口にとって人生で忘れられない日となった。そして、本格的にスカウトから注目されるようになり、目標をプロ一本に絞ってからは、就職先も決めなくなった。