メジャーリーグ機構は、サイ・ヤング賞投手の“復帰”を是が非でも阻止したいようである。
現地4月29日、メジャーリーグ機構はDV規定に違反したとして、2020年のサイ・ヤング賞投手トレバー・バウアー(ドジャース)に2年間(324試合)の出場停止処分を科したことを発表した。
バウアーは昨年6月、女性との性行為中に顔面を殴打し、首を絞めるなどしたとして訴えられ、7月から出場制限リスト入り(この措置はその後、延長を繰り返しながら現在に至っている)。今年2月になって、ロサンゼルス郡地方検事局はバウアーの不起訴を決定したが、MLB機構は独自の判断で処分を下した。
バウアーは「私は機構のDV&性的暴行規定に何ら違反していない」と強く否定。今後はMLB機構と選手会が選任する調停人の判断を仰ぐことになる。
確かに、今回の処分は異例とも言える厳しい内容だ。これまでDV規定で14人の選手が処分を受けているが、そのうち半分は40試合以下の出場停止で、最も重いケース(21年のサム・ダイソン)でも162試合だった。それが今回は一気に倍、永久追放を除けば歴代最長の処分となった。バウアー自身が疑惑を否定し、不起訴処分になっているにもかかわらず、だ。
【動画】これは打てない! バウアーの内角をえぐるフロントドア しかも、今回の処分にはこれまで出場制限リストに入っていた日数は加算されない。そのため、バウアーは少なくとも2023年いっぱいまでメジャーリーグの試合に登板できなくなる。また、出場停止期間は無給となるため、処分が確定すれば20年オフにドジャースと結んだ3年1億200万ドルの契約のうち半分以上の6000万ドルを受け取れなくなる。
ドジャースは「バウアーに関するあらゆる疑惑を非常に真剣に受け止めており、家庭内暴力や性的暴行といったいかなる行為を容認したり、許容することはありません」と声明を発表。「メジャーリーグ機構のDV規定とコミッショナーによる同規定の施行を全面的に支持しています」として、処分を受け入れる意向を示した。
世論の厳しい風潮を考えれば、ドジャースがバウアーを擁護することは当然考えられないが、どうやらチーム内でも2020年のサイ・ヤング賞右腕は“浮いていた”ようである。
昨年7月に地元紙『ロサンゼルス・タイムズ』紙が報じたところによると、チームメイトの多くがインスタグラムのフォローも外すなど、バウアーから距離を取っていたという。チームから孤立する中、トラブルに見舞われても擁護する仲間は出てきていない。
バウアーは良くも悪くも話題に事欠かない人物で、これまでもSNSでファンや選手と言い合いになることなどは日常茶飯事だった。一方、ロングトスやデータ解析など独自のトレーニング法を貫いて研鑽を続け、サイ・ヤング賞を獲得するほどの大投手になった。
我が道を行く孤高の一匹狼がメジャーのマウンドに帰ってこられるのか。今後の進展に注目したい。
構成●SLUGGER編集部
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バウアーは昨年6月、女性との性行為中に顔面を殴打し、首を絞めるなどしたとして訴えられ、7月から出場制限リスト入り(この措置はその後、延長を繰り返しながら現在に至っている)。今年2月になって、ロサンゼルス郡地方検事局はバウアーの不起訴を決定したが、MLB機構は独自の判断で処分を下した。
バウアーは「私は機構のDV&性的暴行規定に何ら違反していない」と強く否定。今後はMLB機構と選手会が選任する調停人の判断を仰ぐことになる。
確かに、今回の処分は異例とも言える厳しい内容だ。これまでDV規定で14人の選手が処分を受けているが、そのうち半分は40試合以下の出場停止で、最も重いケース(21年のサム・ダイソン)でも162試合だった。それが今回は一気に倍、永久追放を除けば歴代最長の処分となった。バウアー自身が疑惑を否定し、不起訴処分になっているにもかかわらず、だ。
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ドジャースは「バウアーに関するあらゆる疑惑を非常に真剣に受け止めており、家庭内暴力や性的暴行といったいかなる行為を容認したり、許容することはありません」と声明を発表。「メジャーリーグ機構のDV規定とコミッショナーによる同規定の施行を全面的に支持しています」として、処分を受け入れる意向を示した。
世論の厳しい風潮を考えれば、ドジャースがバウアーを擁護することは当然考えられないが、どうやらチーム内でも2020年のサイ・ヤング賞右腕は“浮いていた”ようである。
昨年7月に地元紙『ロサンゼルス・タイムズ』紙が報じたところによると、チームメイトの多くがインスタグラムのフォローも外すなど、バウアーから距離を取っていたという。チームから孤立する中、トラブルに見舞われても擁護する仲間は出てきていない。
バウアーは良くも悪くも話題に事欠かない人物で、これまでもSNSでファンや選手と言い合いになることなどは日常茶飯事だった。一方、ロングトスやデータ解析など独自のトレーニング法を貫いて研鑽を続け、サイ・ヤング賞を獲得するほどの大投手になった。
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