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プロ野球

三浦監督が見据える交流戦の“戦い方”。セ5位でもポジティブに捉える理由とは?

萩原孝弘

2022.05.24

決して順調な出だしではない三浦ベイスターズだが、指揮官は決して下を向いていない。写真:萩原孝弘

決して順調な出だしではない三浦ベイスターズだが、指揮官は決して下を向いていない。写真:萩原孝弘

 17勝23敗、セ・リーグ5位の成績で交流戦に突入することとなった2年目の三浦ベイスターズ。「いろんなことがありましたからね。3連敗からスタートして、3連勝で取り戻して。コロナがあって故障者が出て……」と、開幕してから波乱万丈な約2ヵ月を指揮官は振り返った。

 しかし昨年は、開幕からオースティン&ソトの両助っ人を欠いた状況が響き、同じ時期に借金15で最下位を独走。今年は昨年と比べ物にならないような多くの離脱者を出しながらリーグ5位の借金6と、健闘している印象もある。

「春先から離脱者が多い中でも、選手はグラウンドでよくやってくれています。その中でも若い選手たちも出てきたりしていますし、逆にチャンスと捉えてグラウンドで戦ってくれています」とは三浦監督。

 野手では怪我で抹消されてしまったが、外野の一角として機能した楠本泰史、先発ではスランプから脱した感のある上茶谷大河、リリーバーでは開幕から21試合連続無失点を続ける伊勢大夢ら筆頭に、関根大気、宮本秀明、入江大生などの奮闘ぶりに一定の満足感を得ているようだ。

 さらに、「佐野(恵太)、宮﨑(敏郎)、今永(昇太)も戻ってきてやってくれてますから、徐々に歯車が合い出しながら戦えてるなと思います」と、整いつつある戦力への手応えも口にした。

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 一方、春季キャンプで掲げた、攻撃面の“嫌らしく得点する”と投手の“優位なカウントを作る”のテーマが実戦に生かされないケースが散見されるのも事実。「キャンプでやってきたことができた試合も、できなかった試合もありました」としたが、直近のヤクルト戦では「あと1本」が出ず連敗を喫してしまった。

「反省点は毎日ミーティングして、次の日の練習でもそれを意識して取り組んでいますが、まだまだ(勝利に)つなげきれていない。チームとしても投手陣もそうですけど、もっとできる確率を上げていかないと」と、発展途上のチームの課題解消に心血を注ぐ。

 その上で、「コロナ、怪我から帰ってきた選手の状態も上がってきますし、交流戦で戻ってきてくれる選手たちもいる」と、ファームでの調整中の濱口遥大、石田健大の両左腕や、ホープ・森敬斗らの合流に期待を寄せ、「DHもありますし、交流戦ならではの戦い方がある。もう1回、選手だけじゃなくコーチ、スタッフ、気持ちを新たにしてやっていきます」と意気込んだ。

 故障者やコロナ感染は予期できなかった面もあるだろうが、「怪我人ゼロのチームはないですし、コロナもチームとして厳しくやってきた中で出てしまったこと。こればっかりは仕方がない。受け入れてやっています」と言い訳はなし。

 それどころか、「選手もリフレッシュできることも限られて、トレーナーの怪我の対応、スタッフも広報も通常業務プラスαがあって大変でしょう」と、周りを気遣う番長らしい侠気を見せた三浦監督。昨年は3位と好勝負を繰り広げた交流戦で、“横浜反撃”のキッカケをつかんでみせる。

取材・文・写真●萩原孝弘

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