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若き天才打者ソトの放出をナショナルズが検討中?史上最大級のビッグトレードは本当に実現するのか<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2022.05.25

若き天才打者ソトをなぜトレードするのか?ナショナルズの思惑とは?(C)Getty Images

若き天才打者ソトをなぜトレードするのか?ナショナルズの思惑とは?(C)Getty Images

 8月2日のトレード期限まではまだ2か月以上あるが、球界では早くも大物選手の移籍の噂でもちきりになっている。とりわけ注目を集めているのが、23歳の“現役最強打者”ホアン・ソト(ナショナルズ)の動向だ。

“最後の4割打者”テッド・ウィリアムズとも比較される天才的な打撃センスを持つソトは、短縮シーズンの2020年にナ・リーグ史上最年少の21歳で首位打者を獲得。確実性だけでなくパワーや選球眼も一級品で、昨季はリーグ最多&球団新記録の145四球を選び、MVP投票で2位に入った。

 ナショナルズはこの若き天才打者をフランチャイズの柱と見込んで、昨年12月に13年3億5000万ドルの超大型オファーを提示した。だが、史上最大となる総額5億ドル規模の超メガディール獲得を目指すソトと代理人のスコット・ボラスはそのオファーを拒否していた。

 ナショナルズは昨季途中から再建モードへ舵を切り、今季もナ・リーグ東地区最下位に沈んでおり、長期契約が結べないのならソトを残しておいても意味がない。24年オフにFAとなってチームを去るのを傍観するよりは、いっそこのタイミングで放出してもおかしくない。トレードの噂が立っているのは、そんな背景事情があるからだ。

 では、仮にソトがトレードされる場合、移籍先はどこになるのか? 大前提として、ソトを獲得するためには2つの条件をクリアしなければならない。

 まず、「求められる対価はファーム組織を空にするようなもの」(米メディア『The Athletic』)と言われるように、複数のプロスペクト(若手有望株)を用意できること。なおかつ、ソトと大型契約を結べるだけの財力を備えていることだ。ソトのトレードの可能性を最初に報じた米スポーツ専門局『ESPN』のバスター・オルニー記者は、移籍先候補としてパドレスとブルージェイズを挙げている。

 パドレスは俊足のアスリート型遊撃手のCJ・エイブラムスや、すでにメジャーのローテーション投手となっているマッケンジー・ゴアが交換要員候補となるだろう。ブルージェイズも複数のトップ・プロスペクトがおり、近年の大型補強を見ても分かるように会社の財力も相当なものだ。
 
 他にも、ヤンキースやドジャース、ジャイアンツといった、資金力豊富なコンテンダーの球団も有力な候補になる。特にドジャースはマイナー組織の充実度もいまだ球界屈指で条件に合致するし、ジャイアンツも長期契約を交わしている選手がいないため、ソトを獲得してもリスクが少ない。

 右翼が狭く、左打者有利の本拠地を持つヤンキースは、資金力の面でも言わずもがな。駒となる有望株も多い。ただ、同じライトを守るアーロン・ジャッジがFA(フリーエージェント)を控えており、まずはジャッジとの再契約成立に全力を尽くすと思われる。その他、有望株の充実度ではドジャースやブルージェイズをも上回るマリナーズを候補に挙げる声もある。

 ただ、少なくともこの夏の放出については、否定的な見方も少なくない。米紙『New York Post』紙のジョン・ヘイマン記者は、ボラスの「ソトのトレード話は忘れてほしい。そんなことは起こらないからだ」というコメントを引用しつつ、移籍実現の可能性は低いとの見方を示している。また、ナショナルズには球団売却の話も浮上していて、すでにMLB屈指のスターであるソトを放出することを新しいオーナーは望まないはず、とも指摘している。

 さらに『The Athletic』のケン・ローゼンタール記者も同様の考えで「ソトのトレードバリューはFAが迫ったとしても損なわれるものではなく、放出するのは時期尚早だ」と述べている。

 そうは言っても、ナショナルズが最大限の見返りを得ようとするならば、放出は早ければ早いほどいいのもまた事実。この夏、ソトのトレードが本当に実現すれば、史上最大のビッグトレードになることは間違いない。若き天才スラッガーの一挙手一投足が、今後も大きな注目を集めることになりそうだ。

構成●SLUGGER編集部
 
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