やはり“天敵”を乗り越えないことには、勝利を手にするのは難しいようである。
大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は現地時間5月26日、本拠地で行なわれたトロント・ブルージェイズ戦に「3番・投手」で先発出場。今季4勝目を目指したマウンドとなったが、投げては6回で10三振を奪ったものの5失点、打席でも2打数ノーヒットに終わり、チームも3対6で敗れて黒星がついた。
本人が「初回に1球投げた時におかしいなっていう感覚だった」と語ったように、4シームの平均球速95.6マイル(153.9キロ)は、ここまでの平均97.2(156.4キロ)より大きく下降。最速も97.6マイル(157.0キロ)と本調子でなかったのは誰の目からも明らかだった。
それでも、状態が悪い時はそれなりに試合を作ることができるのが大谷の特徴だが、この日はいきなり出鼻をくじかれることになる。球界屈指のリードオフマン、ジョージ・スプリンガーの一振りによって。
初回先頭打者として打席に立ったスプリンガーは、カウント2-2まで追い込まれるもファウルで粘って8球目。外角低めの96.8マイル(約157.4キロ)の4シームを一閃した打球はぐんぐん伸びて、センターの頭上を越える先頭打者アーチとなった。この一発で流れを相手に渡した大谷は、3回にもスプリンガーのヒットで走者を貯められて3失点。
【動画】完璧な読みで大谷打ち! スプリンガーの通算48本目の先頭打者弾をチェック
5回こそ三振に打ち取ったものの、通算対戦成績は12打数6安打2本塁打と“天敵”相手にまたもやられた形となった。なぜスプリンガーはこれほどまでに大谷を打てるのだろうか。以前、取材した際に口にしたのは、意外な答えだった。
投手・大谷について訊ねると、スプリンガーは開口一番、「オオタニとの対戦は楽しくないね」とポロリ。「スプリッター、スライダー、カーブがあって、速球もものすごい速いのを投げることもあれば、スピードを変えてきたりするんだ」と、大谷の変幻自在の投球に舌を巻いた。
「だから……」とスプリンガーは続ける。「オオタニを打つには、ヤマを張って、バットが当たるのを祈るしかないんだ!」
これが、先頭打者アーチ歴代4位タイの48発を放っている強打者の“大谷攻略法”だ。雑に言えば「勘」と言えるのだろうが、その読みが対・大谷には冴えに冴えている。26日の試合後も、「打ちやすい球を投げてくるのを願っていた」というのだから、4シーム一本に絞ったスウィングが最高の結果をもたらしたようである。
もっとも、これだけ大谷からヒットを量産していても、スプリンガーは希代の天才に対してリスペクトを惜しまない。
「打者として結果を残すだけでも十分、大変なことを僕自身よく分かっている。だから、二刀流で成功していることは本当にすごいことだよ。しかも、どちらが明らかに優れているというわけじゃなくて、どちらも成功しているんだから本当に驚きさ」
大谷が今季スプリンガーと対戦する機会があるとすれば、8月26日から始まる敵地での3連戦。もしマッチアップが実現した暁には、スプリンガーの読みをいかいかわすかがカギを握ることになるだろう。
構成●SLUGGER編集部
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大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は現地時間5月26日、本拠地で行なわれたトロント・ブルージェイズ戦に「3番・投手」で先発出場。今季4勝目を目指したマウンドとなったが、投げては6回で10三振を奪ったものの5失点、打席でも2打数ノーヒットに終わり、チームも3対6で敗れて黒星がついた。
本人が「初回に1球投げた時におかしいなっていう感覚だった」と語ったように、4シームの平均球速95.6マイル(153.9キロ)は、ここまでの平均97.2(156.4キロ)より大きく下降。最速も97.6マイル(157.0キロ)と本調子でなかったのは誰の目からも明らかだった。
それでも、状態が悪い時はそれなりに試合を作ることができるのが大谷の特徴だが、この日はいきなり出鼻をくじかれることになる。球界屈指のリードオフマン、ジョージ・スプリンガーの一振りによって。
初回先頭打者として打席に立ったスプリンガーは、カウント2-2まで追い込まれるもファウルで粘って8球目。外角低めの96.8マイル(約157.4キロ)の4シームを一閃した打球はぐんぐん伸びて、センターの頭上を越える先頭打者アーチとなった。この一発で流れを相手に渡した大谷は、3回にもスプリンガーのヒットで走者を貯められて3失点。
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5回こそ三振に打ち取ったものの、通算対戦成績は12打数6安打2本塁打と“天敵”相手にまたもやられた形となった。なぜスプリンガーはこれほどまでに大谷を打てるのだろうか。以前、取材した際に口にしたのは、意外な答えだった。
投手・大谷について訊ねると、スプリンガーは開口一番、「オオタニとの対戦は楽しくないね」とポロリ。「スプリッター、スライダー、カーブがあって、速球もものすごい速いのを投げることもあれば、スピードを変えてきたりするんだ」と、大谷の変幻自在の投球に舌を巻いた。
「だから……」とスプリンガーは続ける。「オオタニを打つには、ヤマを張って、バットが当たるのを祈るしかないんだ!」
これが、先頭打者アーチ歴代4位タイの48発を放っている強打者の“大谷攻略法”だ。雑に言えば「勘」と言えるのだろうが、その読みが対・大谷には冴えに冴えている。26日の試合後も、「打ちやすい球を投げてくるのを願っていた」というのだから、4シーム一本に絞ったスウィングが最高の結果をもたらしたようである。
もっとも、これだけ大谷からヒットを量産していても、スプリンガーは希代の天才に対してリスペクトを惜しまない。
「打者として結果を残すだけでも十分、大変なことを僕自身よく分かっている。だから、二刀流で成功していることは本当にすごいことだよ。しかも、どちらが明らかに優れているというわけじゃなくて、どちらも成功しているんだから本当に驚きさ」
大谷が今季スプリンガーと対戦する機会があるとすれば、8月26日から始まる敵地での3連戦。もしマッチアップが実現した暁には、スプリンガーの読みをいかいかわすかがカギを握ることになるだろう。
構成●SLUGGER編集部
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