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大谷翔平vsゲレーロJr.の珠玉の攻防に反響拡大! 米メディアは「この一打は我々に何かを感じさせる」と“神童”に熱視線

THE DIGEST編集部

2022.05.27

大谷(右)から圧巻のホームランを放ったゲレーロJr.(左)。昨季にMVPを争った両雄が見せた攻防戦は試合後に大きな話題となった。(C)Getty Images

大谷(右)から圧巻のホームランを放ったゲレーロJr.(左)。昨季にMVPを争った両雄が見せた攻防戦は試合後に大きな話題となった。(C)Getty Images

 すでに大勢が決したような状況ではあったが、緊張感のある勝負だった。ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平が「3番・DH兼投手」として先発登板したトロント・ブルージェイズ戦の6回、相手主砲のブラディミール・ゲレーロJr.を迎えた場面だ。

 この日、制球難に苦しんで、5回までに4失点を喫していた大谷。だが、“ライバル”のゲレーロJr.に対しては2打数ノーヒットに抑え込んでいた。とりわけ3回の対戦ではカウント2-2から真ん中低めへ96.9マイル(約156キロ)の4シームをズバンッと投げ込み、見逃し三振に切って取っていた。

 しかし、昨季に大谷から本塁打王のタイトルをもぎ取り、試合前には「オオタニはメジャーでもトップクラスの投手だ。常に全力を尽くして戦う凄い選手だ」とリスペクトを口にした“神童”もやられてばかりではなかった。3度目の打席でサムライ右腕に牙を向く。それが先述の6回である。

 勝負は珠玉の攻防だった。先頭打者として打席に立った23歳は、1ボールから2球目に投じられた75.1マイル(約120.8キロ)のカーブを見送る。この瞬間の反応を見た大谷とマックス・スタッシのバッテリーは、カウント1-1からの3球目にも同じボールを選択する。

 だが、76.2マイル(約122.6キロ)のカーブは外角高めに浮くと、ゲレーロJr.は「待ってました!」と言わんばかりにフルスイング。高々と舞い上がった打球はみるみるうちに飛距離を伸ばし、左翼ポールに直撃した。文字通り力で持っていかれた大谷にとっては、痛すぎるホームランとなった。
 
 両雄が繰り広げた駆け引き、そして“偉才”から特大のアーチを放ったゲレーロJr.には、現地メディアも賛辞を惜しまない。米メディア『Jomboy』のポッドキャスト番組「Talkin' Baseball」の公式ツイッターは、「スーパースターvsスーパースター。この一打は我々に何かを感じさせる」と賛辞を寄せた。

 また、元ニューヨーク・ヤンキース投手デビッド・コーン氏がメインMCを務める米野球専門ポッドキャスト番組「Toeing The Slab」にも出演する識者のジェームズ・スマイス氏は「これほど引き込まれたことはない」と語り、「現役MVPが次点となった選手にホームランを与えたのは、1969年6月10日にピート・ローズがボブ・ギブソンからホームランを放って以来のことだと思う」と驚嘆した。

 ピッチングでは5失点降板となった大谷。試合後に「だましだまし投げた感じ。全体的に思い切りいけなかった」と腰の張りを口にしたエースの不調もあってエンジェルスは3対6で完敗した。そのなかでもゲレーロJr.の会心のアーチは、試合の趨勢を完全に定める決定打となったと言えそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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