ニューヨーク・ヤンキースの“巧みな”攻撃は、「投手・大谷」をのみ込んだ。
現地時間6月2日に行なわれたヤンキースとのダブルヘッダー初戦で、今季9度目の先発登板を果たした大谷は、4回途中(75球)を投げて4失点。この日は三振も2つしか奪えずに無念の降板となった。
「カウント球も含めて、けっこう真ん中寄りに集まった。曲がるはずが曲がらなかったりというか、そういうのが多かったかなと思うので、そこが原因かなと思う」
本人がそう語ったように、ヤンキース打線は甘い球をことごとく見逃さずに、ストライクゾーンへのボールを巧みに打ち込んだ。初回にマット・カーペンターの先頭打者アーチとグレイバー・トーレスのソロ本塁打を放てば、3回にはアーロン・ジャッジが第19号となる豪快な一発を浴びせ、大谷は自己ワーストタイとなる1試合3被弾を喫した。
この試合前までリーグの先発投手で3位の空振り率35.9%を誇っていた大谷が、45スイング中3回しか空振りを取れず、率も6.7%と明らかに低かった。それほどボールを見極められていた。ある意味で好球必打を徹底したとも言えるヤンキース打線には“ある疑念”も生まれた。それは「次に来る球を知っているのではないか」というものだ。
エンジェルスのポッドキャスト番組『Talkin' Halos』で解説を務めるジャレッド・ティムス氏は「ショウヘイ・オオタニの投球の癖を見抜かれているのかどうなのかはまだ分からない。ただ、彼に関して相手は何らかのレポートを手にしていたと思う」と指摘。そのうえで、次のように続けた。
「スプリットの握りから他のボールに握りを変える場合に、全くグローブを動かさないのは信じられないほどに難しい。ショウヘイにそうした癖が露骨に出ているとは言わないが、もしもあるとしたら、彼ら(ヤンキース)が見ているのはそうした部分だろう」
エンジェルスを指揮する名将ジョー・マッドンも、試合後に「私は誰のことも非難するつもりはない。彼らが球種を読むのが上手だっただけだ。ヤンキースは昔から上手かった」と語り、「もっと用心深くならないといけない」と強調した。
「もしも、ごく自然な方法で、相手の投げる球種を知り得るのなら、それは素晴らしいことだと思う。投手がすることの中に、相手チームが読み取れるものがあったりするのは間違いないからね。癖を読むのが得意な人たちがいるチームは、それでアドバンテージを得ることができる」
もっとも、ヤンキースを率いるアーロン・ブーン監督は、大谷の癖を読んでいた可能性について問われると、「我々は上手くやったと思う。これからも続けたいね」とニヤり。そして、「打線がよく対応できたということだ」と振り返っている。
「とにかくミスを逃さず打てたし、粘って非常にいい打席を作っていた。彼(大谷)の球は、ベストな状態ではなかったかもしれないが、昨年と違って攻略ができていたと思う」
コンディションが悪かったとはいえ、完璧に攻略されてしまった大谷。ここから一皮むけるためにも、何らかの策を講じる必要があるのかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部
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現地時間6月2日に行なわれたヤンキースとのダブルヘッダー初戦で、今季9度目の先発登板を果たした大谷は、4回途中(75球)を投げて4失点。この日は三振も2つしか奪えずに無念の降板となった。
「カウント球も含めて、けっこう真ん中寄りに集まった。曲がるはずが曲がらなかったりというか、そういうのが多かったかなと思うので、そこが原因かなと思う」
本人がそう語ったように、ヤンキース打線は甘い球をことごとく見逃さずに、ストライクゾーンへのボールを巧みに打ち込んだ。初回にマット・カーペンターの先頭打者アーチとグレイバー・トーレスのソロ本塁打を放てば、3回にはアーロン・ジャッジが第19号となる豪快な一発を浴びせ、大谷は自己ワーストタイとなる1試合3被弾を喫した。
この試合前までリーグの先発投手で3位の空振り率35.9%を誇っていた大谷が、45スイング中3回しか空振りを取れず、率も6.7%と明らかに低かった。それほどボールを見極められていた。ある意味で好球必打を徹底したとも言えるヤンキース打線には“ある疑念”も生まれた。それは「次に来る球を知っているのではないか」というものだ。
エンジェルスのポッドキャスト番組『Talkin' Halos』で解説を務めるジャレッド・ティムス氏は「ショウヘイ・オオタニの投球の癖を見抜かれているのかどうなのかはまだ分からない。ただ、彼に関して相手は何らかのレポートを手にしていたと思う」と指摘。そのうえで、次のように続けた。
「スプリットの握りから他のボールに握りを変える場合に、全くグローブを動かさないのは信じられないほどに難しい。ショウヘイにそうした癖が露骨に出ているとは言わないが、もしもあるとしたら、彼ら(ヤンキース)が見ているのはそうした部分だろう」
エンジェルスを指揮する名将ジョー・マッドンも、試合後に「私は誰のことも非難するつもりはない。彼らが球種を読むのが上手だっただけだ。ヤンキースは昔から上手かった」と語り、「もっと用心深くならないといけない」と強調した。
「もしも、ごく自然な方法で、相手の投げる球種を知り得るのなら、それは素晴らしいことだと思う。投手がすることの中に、相手チームが読み取れるものがあったりするのは間違いないからね。癖を読むのが得意な人たちがいるチームは、それでアドバンテージを得ることができる」
もっとも、ヤンキースを率いるアーロン・ブーン監督は、大谷の癖を読んでいた可能性について問われると、「我々は上手くやったと思う。これからも続けたいね」とニヤり。そして、「打線がよく対応できたということだ」と振り返っている。
「とにかくミスを逃さず打てたし、粘って非常にいい打席を作っていた。彼(大谷)の球は、ベストな状態ではなかったかもしれないが、昨年と違って攻略ができていたと思う」
コンディションが悪かったとはいえ、完璧に攻略されてしまった大谷。ここから一皮むけるためにも、何らかの策を講じる必要があるのかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部
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