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MLB

スミスは移籍、アブレイユは残留――クオリファイング・オファーを受けたFA選手それぞれの決断

宇根夏樹

2019.11.19

元キューバ代表のアブレイユはメジャー1年目から6年連続30本塁打をクリア。今季は初の打点王にも輝いた。(C)Getty Images

元キューバ代表のアブレイユはメジャー1年目から6年連続30本塁打をクリア。今季は初の打点王にも輝いた。(C)Getty Images

 日本と同様、MLBでもFA市場の動きが活発になりつつある。優に500人を超える選手がFAとなっているが、まず中心になるのはクオリファイング・オファー(QO)を受けた選手たちの動き。 QOとは、FAになった選手に対して在籍していた球団が申し出るもので、受け入れた場合は1年契約で残留となる。拒否した選手が移籍した場合、獲得球団は補償としてドラフト指名権を失うことになる。

 今オフにQOを提示されたのは10人。8人がオファーを拒否し、2人が受け入れて残留を決めた。それぞれに、従来とは違う動きがあった。

 今季、ジャイアンツで自己最多の34セーブ、防御率2.76の好成績を挙げたウィル・スミスは。3年4000万ドルでブレーブスに入団した。契約がまとまったのは、QOへの返答期限の約30分前だった。MLBネットワークによると、スミスの代理人は獲得を狙った球団に対し、決断の期限までに契約がまとまらなければジャイアンツのQOを受諾すると通告していたという。QOをうまく交渉材料に使ったということだ。
 
 スミスがブレーブスから得た契約は、平均年俸1333.3万ドル。QOの1年1780万ドルよりも安いが、来年オフに再びFA市場に出た時、同じような好条件を得られる保証はない。リリーフ投手は成績の波が激しいので、なおさらリスクが高い。

 一方、今季の打点王ホゼ・アブレイユは、ホワイトソックスからのQOを受諾したものの、来シーズンの年俸が1780万ドルになるとは限らない。アブレイユの代理人は、QO受諾前から球団と複数年契約について話し合っていて、その交渉は今後も継続するらしい。まずは残留を確定させ、そこから本腰を入れて交渉に臨むという流れだ。

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