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MLB

【お股ニキ流アナライズ Vol.3】第2次全盛期を迎えるバーランダーのV字復活

お股ニキ

2019.11.10

最強アストロズの最強エースとして君臨するバーランダーの真髄にお股ニキが迫る!(C)Getty Images

最強アストロズの最強エースとして君臨するバーランダーの真髄にお股ニキが迫る!(C)Getty Images

 初の著書『セイバーメトリクスの落とし穴 マネー・ボールを超える野球論』(光文社新書)が大反響を呼び、ツイッターのフォロワー数が2万5000人を超える「お股ニキ」氏の連載コラム。独自の野球観、卓越した分析力を誇る「お股ニキ」氏が、毎回、一人の選手を取り上げて徹底解剖する。第3回は、“第2次”全盛期を迎える今季のサイ・ヤング賞候補ジャスティン・バーランダー(アストロズ)。彼の見事な復活劇と、さらに女房役と「お股ニキ」氏の意外な縁を深掘りしていく。

 いよいよMLBのプレーオフが開幕した。強豪揃いの一流チームの一流選手たちによる、1ヵ月にわたる「絶対に負けられない戦い」に期待で胸が高鳴っている。今回のコラムでは、世界一最有力候補アストロズの、そしてメジャーの大エースとして君臨するジャスティン・バーランダーにスポットライトを当ててみたい。加えて、あまり語られることのない、女房役のロビンソン・チリノスについてもアナライズしていこうと思う。
     
 バーランダーは36歳で迎えた今季、第2次全盛期を謳歌している。
2011年(28歳)34試合 24勝5敗 251.0回 250奪三振 防御率2.40 4完投
2019年(36歳)34試合 21勝6敗 223.0回 300奪三振 防御率2.58 2完投
 
 2004年、前年にア・リーグワースト記録の119敗を喫したタイガースに、バーランダーはドラフト全体2位で指名された。高校入学時にはすでに93マイルを投じていたという生まれながらの豪腕は、みるみるうちに頭角を現し、タイガースのエース、そしてメジャーのエースへと歩みを進めていく。

 軌を合わせるように、チームもミゲル・カブレラやプリンス・フィルダーらを補強して強豪球団への仲間入りを果たし、若き日のマックス・シャーザー(現ナショナルズ)も台頭。名将ジム・リーランド監督の下でチームは黄金期を迎えた。バーランダーもエースとして11年に投手三冠に輝き、2度目のノーヒットノーランも達成。史上2人目のサイ・ヤング賞とシーズンMVPの同時受賞を果たした。

 バーランダーは中4日&100球を目安に交代を考えるメジャーでは珍しい、まるで日本の先発完投型のようなザ・本格派だ。初回は少し抜いた93マイル程度で立ち上がり、回を追うごとに球速が1マイルずつ上昇。完投目前の8回、9回で100マイルを超える速球を投げ込むなど、桁違いのピッチングを披露していた。08年以降に95マイル以上を投じた投球数がメジャーダントツの1万球を超え、故障者リスト入りは長いキャリアを通じてわずか1回という圧倒的な馬力の持ち主である。
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