“顔も見たくない相手”を、ついにそのバットで粉砕した――。
現地時間7月22日、本拠地でロサンゼルス・エンジェルスを迎え撃ったアトランタ・ブレーブスが8対1で快勝した。スコアからは誠に信じがたいが、エンジェルスの先発はここまで6連勝中だった大谷翔平から、わずか1イニングで6得点の猛打をお見舞いし、KOしたのである。
もっとも、試合序盤の展開は投手戦だった。この日の大谷は相変わらずの剛速球に、スライダー、スプリッターが冴えわたり、昨年世界一の強豪ブレーブスを6回までわずか1安打に抑えていた。しかし7回、これまで通算15打数1安打6三振と封じ込めていたマット・オルソンに、豪快な2ランを被弾。ここから堰を切ったように28歳のサムライは崩れ、6点を失った。
やはり試合のキーポイントとなったのはオルソンとの対戦だ。カウント0-1から投じたスプリッターが落ち切らなかったところを、左打席のスラッガーが見事に捉えた。試合前の取材にて、オルソンは大谷のスプリッターについてこう表現している。
「自分が見てきたなかでも最高級の代物だと思う。あれだけ自分の思い通りにスプリッターを投げられるピッチャーはいないよ。多くの選手がスプリッターを投げるようになったけど、それらはたいていチェンジアップに近いものだ。でもオオタニは違う。彼は本物のスプリッターを投げるんだ」
昨年までオークランド・アスレティックスに在籍していたオルソンは、同地区にいた大谷にまったく手が出なかった。過去5年間で30本塁打超えが2度、昨年は39発を放ってオールスターに選ばれた選手が、である。それだけに、28歳のスラッガーが口にした大谷のスプリッターに対する称賛、いや畏怖とも受け取れる言葉は、“重み”がある。
時計の針を4年前の2018年4月8日に戻そう。この日、大谷はメジャー2登板目のアスレティックス戦に先発し、8回途中まで完全試合を演じるほど絶好調。一方、オルソンは3打席連続三振に打ち取れた。さらにこの1週間前、大谷のデビュー登板でも相対しており、3打数無安打2三振と完璧に抑えられていた。
屈辱。オルソンは同日の試合後、球団を通して取材は受け付けないと宣言した。それもそうだろう。ビッグスターを巡ってはアメリカ以上に日本のメディアも殺到しており、コテンパンにやられた強打者に「大谷はどれだけ凄かったか」といった質問がされるのは明白だった。普段は明るい男の表情が曇るほど、大谷のことは本当に顔も見たくないほどだった。
現地時間7月22日、本拠地でロサンゼルス・エンジェルスを迎え撃ったアトランタ・ブレーブスが8対1で快勝した。スコアからは誠に信じがたいが、エンジェルスの先発はここまで6連勝中だった大谷翔平から、わずか1イニングで6得点の猛打をお見舞いし、KOしたのである。
もっとも、試合序盤の展開は投手戦だった。この日の大谷は相変わらずの剛速球に、スライダー、スプリッターが冴えわたり、昨年世界一の強豪ブレーブスを6回までわずか1安打に抑えていた。しかし7回、これまで通算15打数1安打6三振と封じ込めていたマット・オルソンに、豪快な2ランを被弾。ここから堰を切ったように28歳のサムライは崩れ、6点を失った。
やはり試合のキーポイントとなったのはオルソンとの対戦だ。カウント0-1から投じたスプリッターが落ち切らなかったところを、左打席のスラッガーが見事に捉えた。試合前の取材にて、オルソンは大谷のスプリッターについてこう表現している。
「自分が見てきたなかでも最高級の代物だと思う。あれだけ自分の思い通りにスプリッターを投げられるピッチャーはいないよ。多くの選手がスプリッターを投げるようになったけど、それらはたいていチェンジアップに近いものだ。でもオオタニは違う。彼は本物のスプリッターを投げるんだ」
昨年までオークランド・アスレティックスに在籍していたオルソンは、同地区にいた大谷にまったく手が出なかった。過去5年間で30本塁打超えが2度、昨年は39発を放ってオールスターに選ばれた選手が、である。それだけに、28歳のスラッガーが口にした大谷のスプリッターに対する称賛、いや畏怖とも受け取れる言葉は、“重み”がある。
時計の針を4年前の2018年4月8日に戻そう。この日、大谷はメジャー2登板目のアスレティックス戦に先発し、8回途中まで完全試合を演じるほど絶好調。一方、オルソンは3打席連続三振に打ち取れた。さらにこの1週間前、大谷のデビュー登板でも相対しており、3打数無安打2三振と完璧に抑えられていた。
屈辱。オルソンは同日の試合後、球団を通して取材は受け付けないと宣言した。それもそうだろう。ビッグスターを巡ってはアメリカ以上に日本のメディアも殺到しており、コテンパンにやられた強打者に「大谷はどれだけ凄かったか」といった質問がされるのは明白だった。普段は明るい男の表情が曇るほど、大谷のことは本当に顔も見たくないほどだった。