プロ野球

【前半戦通信簿|ソフトバンク】“ギータ”らベテランが不発でも巨大戦力は健在。柳町、藤井ら新戦力の台頭で首位ターン<SLUGGER>

藤原彬

2022.07.25

最強打者・柳田は前半戦まさかの不振ながらもチームは1位。改めて巨大戦力の底力を感じさせた4ヵ月だった。写真:徳原隆元

ソフトバンク
46勝40敗1分 勝率.535(1位)
平均得点:3.71(1位)
平均失点:3.26(2位)
得失点差:+48(1位)

▼前半戦通信簿:まずまずです

 開幕戦に新加入ガルビスの満塁弾で派手に逆転勝ちすると、そこから一気に8連勝。5月上旬にも7連勝を飾り、前年まさかのBクラスに終わったチームの本領発揮と思われた。だが、6月と7月は貯金を作れず、首位キープで折り返しながらも2位・西武とはゲーム差0.5の混戦模様に巻き込まれている。

 それでも、ガルビス含め新外国人選手が不発、開幕直後に栗原陵矢が今季絶望の重傷を負い、復調をアピールしていた上林誠知も同じく故障で復帰の目途が立たない状況を考えれば、まずまずの戦いだったとも言える。

 リードオフマンに定着していた三森大貴も今月に左手親指を骨折して戦線離脱したが、柳町達や野村勇たち新戦力が台頭。ポジションごとの攻撃貢献度を示すwRAAという指標を見ると、今宮健太のショートが圧倒的なプラスを計上したのを筆頭に一塁と三塁以外で平均以上の打力を発揮している。

 逆に投手陣は例年故障がちな千賀滉大と東浜巨の2人の存在が大きな強みになった。千賀がリーグ1位の防御率1.70を記録すれば、東浜は5月11日の西武戦でノーヒットノーランを達成。ブルペンは新戦力の又吉克樹が7月に右足を骨折するまで好投。さらに3月に育成から支配下登録された藤井皓哉がセットアップに収まった。
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▼後半戦のポイント
・"ギータ"の完全復活

 台頭する新戦力とは対照的に、ベテラン野手に元気がない。松田宣浩、中村晃、甲斐拓也の調子が上がらず、何より柳田悠岐がおとなしい。5月3日のオリックス戦では山本由伸にグランドスラムをお見舞いし、前半戦最後の試合では2発を叩き込んだとはいえ、OPS.808は実質自己ワーストの数字。総合指標WARも0.7と信じられない数値にまで落ち込んでいる。

 チームOPS.688はリーグベストとはいえ、2位の楽天とは僅差で他球団と比較しても大きなアドバンテージにはなっていない。必死に追いすがる2位以下のチームを引き離すためには、柳田の一本芯が通った活躍が必要不可欠だ。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。

データ提供:DELTA

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