決して調子は良くなかった。それでもメジャーでも指折りの好打者を居並べる打線に対して奪三振ショーを演じた。現地時間7月28日に行なわれたテキサス・レンジャーズ戦で、今季17度目の“リアル二刀流”で先発マウンドに立った大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)である。
1918年にベーブ・ルースが達成して以来となる「シーズン二桁勝利&二桁本塁打」の偉業が懸かったなかで登板した大谷は、6回(98)を投げて2失点で降板。チームも0対2と敗れたために、“野球の神”の成し遂げた記録は達成できなかった。
それでも“エース”としての地力は十分に見せつけたと言っていい。凄みがもっとも顕著に表われたのは、試合開始間もない初回だ。自慢の4シームを痛打されるなど先頭から3者連続安打を打たれて無死満塁のピンチを招いたのだ。
しかし、ここで28歳の右腕はギアを上げた。
まず4番のナサニエル・ロウを89.8マイル(約144.5キロ)のスライダーで空振り三振に切って取ると、続く5番アドリス・ガルシアも89.4マイル(約143.8キロ)のスライダーで空振り三振。そして、6番のレオディ・タベラスも90.4マイル(約145.4キロ)の沈むスライダーで三度空振り三振に抑えたのである。
球場全体から「MVP」コールが巻き起こったなかで、本人が「シャッ!」と右の拳を突き上げた圧巻のワンマンショー。4回にロウにソロホームランを打たれた直後にも三者連続三振を見せた大谷は、終わってみれば、11奪三振をマークした。
日本人最多となる6試合連続の二桁奪三振をやってのけた背番号17。ちなみにメジャー全体でも6試合連続でそれをやったのは、ノーラン・ライアン、ペドロ・マルティネス、ランディ・ジョンソン、クリス・セール、ゲリット・コール、ジャスティン・バーランダーしかいない。
メジャー史に残るピッチャーたちと肩を並べた大谷。日頃からエンジェルスの情報を熱心に伝えるブレント・マグワイア記者が「彼が失点した後にどう反応するかはいつも楽しい。今日も完璧なビーストモードだった」と綴ったように、黒星が付いたこの日でさえも、その投球は異次元だった。
構成●THE DIGEST編集部
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しかし、ここで28歳の右腕はギアを上げた。
まず4番のナサニエル・ロウを89.8マイル(約144.5キロ)のスライダーで空振り三振に切って取ると、続く5番アドリス・ガルシアも89.4マイル(約143.8キロ)のスライダーで空振り三振。そして、6番のレオディ・タベラスも90.4マイル(約145.4キロ)の沈むスライダーで三度空振り三振に抑えたのである。
球場全体から「MVP」コールが巻き起こったなかで、本人が「シャッ!」と右の拳を突き上げた圧巻のワンマンショー。4回にロウにソロホームランを打たれた直後にも三者連続三振を見せた大谷は、終わってみれば、11奪三振をマークした。
日本人最多となる6試合連続の二桁奪三振をやってのけた背番号17。ちなみにメジャー全体でも6試合連続でそれをやったのは、ノーラン・ライアン、ペドロ・マルティネス、ランディ・ジョンソン、クリス・セール、ゲリット・コール、ジャスティン・バーランダーしかいない。
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