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大谷翔平のトレード放出は「可能性が低い」。米名物記者が今夏の“ビッグディール不成立”を断言する理由「対価がない」

THE DIGEST編集部

2022.07.31

投打でハイパフォーマンスを披露している大谷。その図抜けた存在感はトレード市場にも小さくない影響をもたらしている。(C)Getty Images

 出すか、出さないか。はたまた獲るか、獲らないか――。トレード期限が刻一刻と迫るなかでメジャーリーグ30球団の動きが活発化している。

 毎年のように大物選手の移籍が実現し、"夏の風物詩"として注目を集めるメジャーのトレード。今夏も各球団が理想的なチーム戦略を実現させるべく、積極的な動きを見せている。とりわけ話題となっているのが、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)の去就だ。

 今季も当たり前のように投打の二刀流を成立させている"偉才"を巡っては、すでに具体的なチーム名も伝えられる。「複数球団がエンジェルスに接触を図った」(New York Post)というなかでは、サンディエゴ・パドレスとニューヨーク・メッツがとくに熱心だったとも報じられている。

 もっとも、「再編はオオタニとトラウトを中心に」と豪語するペリー・ミナシアンGMが編成を取り仕切るエンジェルスに、28歳のサムライを放出する意思はない。ゆえに今夏中の放出の可能性は小さいと見る識者が少なくないのも事実だ。

 米紙『New York Post』などに寄稿するジャーナリストのジョエル・シャーマン氏は、MLBの公式ネットワーク番組『MLB Central』で、「可能性は限りなく低い」と説き、こう強調した。
 
「オーナーのアート・モレノはオオタニをトレードする気があるのかな? チケットの売り上げや、外部へのアピール、そして何よりファンがどう思うかだよ。感情的に困難というよりも対価として得られるものがないと思う。最低でも10人は最高のトッププロスペクトがいる。興行的に見てもそうだ」

 無理もない。今季の大谷は打っては2シーズン連続となる20本塁打を達成。投げてもここまで9勝をマークし、奪三振率はメジャートップの13.14だ。当然、チームの収益にも大きな貢献をしており、これだけの影響力を持った選手と同等の価値がある選手はいないのである。

 それでも球界に「絶対」はない。急転直下でエンジェルスがより遠い将来を見据えた路線に舵を切る可能性もゼロではない。その去就の行方は期限のギリギリまで注目となりそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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