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MLB

22年ぶりのプレーオフへ向けひた走るマリナーズ。この秋は日本メディアの注目が大谷翔平から再びイチローにシフトする?<SLUGGER>

ナガオ勝司

2022.08.28

マリナーズの殿堂入りセレモニーに出席したイチロー氏。シアトルのファンから大歓声を浴びた。(C)Getty Images

マリナーズの殿堂入りセレモニーに出席したイチロー氏。シアトルのファンから大歓声を浴びた。(C)Getty Images

 もしも、自分が今も日本に住んでいて、「メジャーリーガー」と聞いて最初に連想する選手は、大谷翔平(エンジェルス)だろうな、と思う。

 その理由は、単に大谷選手がテレビや新聞などの主要メディアで報道される機会が多いからで、相対的にダルビッシュ有(パドレス)投手や鈴木誠也(カブス)外野手ら他の日本人メジャーリーガーの露出が少なくなるからだ。テレビ番組やニュース原稿の日毎の出稿量やスペースは限られていて、そのトップにはいつも大谷関連の話題が来るのが現状だ。「北海道日本ハム時代からのダルビッシュのファン」、「広島時代からの鈴木誠也ファン」というような人でなければ、「メジャーリーグと言えば、まず大谷ありき」という流れに取り込まれてしまうわけだ。

 そういう現象は、今に始まったことではない。

 かつてイチローがマリナーズでメジャーデビューした2001年に日本人として史上初の首位打者を獲得し、新人王とMVPを同時獲得する活躍に、当時の日本人は「イチロー報道」を連日のように目にしていた。
 
 おまけにその年のマリナーズが史上最多タイ記録のシーズン116勝(46敗)を挙げて地区優勝したものだから、日本中の小売店や郊外量販店に、イチロー関連=マリナーズのロゴマークが入ったグッズがズラリと並ぶ事態となった。

 この年は、「日本人メジャーリーガーのパイオニア」と言える野茂英雄や大家友和(ともにレッドソックス)、長谷川滋利(エンジェルス)、伊良部秀輝(エクスポズ)がいた。そもそも、イチローと同じマリナーズにも、前年の新人王を獲得した佐々木主浩が活躍していたのだが、「メジャーリーグと言えば、まずイチローありき」という世の中の流れは圧倒的だった。

 ちなみに01年(平成13年)は、9・11同時多発テロが起こった年だ。メジャーリーグも一時中断となり、これ以降、アメリカの球場では試合前の国歌斉唱や『Take Me Out To The Ballgame』だけではなく、愛国心むき出しの『God Bless America』が歌われるようになった(現在は軍関連の国家的な式典がある日のみ)。
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