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もはや“世界の村神”だ。早くも10冠が見えてきた22歳の怪物・村上宗隆への「歴史的」が過大評価ではない理由

THE DIGEST編集部

2022.08.30

名だたる名手たちが残した記録をわずか1年で次々と塗り替えようとしている村上。その快進撃には脱帽するばかりだ。写真:鈴木颯太朗

 歴史的な選手を目の当たりにしているのだ――。今季の村上宗隆(ヤクルト)を見るにつけ、そう思わずにはいられない。

 22歳に対して、「歴史的」という評価は大袈裟にも思えるが、今季に限って言えば、それも決して過大評価ではない。なにせ村上はありとあらゆるプロ野球を塗り替えている。

 5月6日、7日に史上9人目の2試合連続満塁本塁打を達成すれば、7月31日から8月2日に世界初となる5打席連続本塁打をマーク。8月26日のDeNA戦では清原和博や王貞治を超える史上最年少での通算150号を放った。これだけで十分に凄まじいのだが、今季の彼はそれだけにとどまらない。

 8月28日のDeNA戦では14打席連続出塁と9打数連続安打を記録。いずれも8月30日に行なわれる巨人戦で更新可能だ。仮に破れば、元広島の廣瀬純(15打席連続出塁)と、元阪神の掛布雅之(10打席連続安打)、元大洋のレイノルズ、元巨人の高橋由伸(いずれも11打数連続安打※最多)を超える。

 往年の名手たちが残した記録を22歳にして破らんとする村上。三冠王も視野に入れている若武者は、目下、主な打撃部門で「10冠」に君臨している。以下はトップに位置するスタッツの一覧だ。
 
打率:.340
安打:134
本塁打:49
打点:120
得点:95
出塁率:.476
OPS:1.232
得点圏:.376
四球:110(申告敬遠は19)

 打率に関しては、DeNAの佐野恵太(.320)との争いは終盤まで続きそうではあるが、残るスタッツではほとんどで他を圧倒している。相手チームからすれば、まさに手が付けられない状態だ。ゆえに今月24日の試合で村上に2度の申告敬遠を命じた広島の河田雄祐監督代行(ヘッド兼外野守備走塁コーチ)が「ヤクルトファンの方には大変申し訳ない。(村上との勝負を)見たかったでしょうけど、こちらも勝負なので」と漏らしたのも、当然の反応ではあった。それほど今の村上は他チームにとって脅威なのである。

 無論、ここまで際立った成績を残す村上には、海外からも熱視線が向けられている。米ポッドキャスト『Hype』でホストを務めるガエタン・ギルバート氏は「キャリアの最初は不安定だったが、2020年以降のムラカミは非常に安定している」とし、東洋の島国で異彩を放つ若武者の凄みを称えた。

「ムラカミはジャッジとの世界的なホームラン王争いを繰り広げている。ふたりはともに象徴的な60本という大台を目指しており、すでに49発も放っている」

 世界的に評価される打撃を披露している。そんな今季終了時に一部で"神"と称される村上は、はたして、いくつのタイトルを手にするのか。シーズンも佳境に差し掛かり、連日続く活躍への興味は尽きない。

構成●THE DIGEST編集部

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