今シーズンも佳境に差し掛かっているメジャーリーグ。そのなかでア・リーグのMVPレースは激しさを増している。現在トップを争っていると目されているのは、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)と大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)だ。
現地時間8月29日に行なわれたロサンゼルス・エンジェルス対ニューヨーク・ヤンキースの一戦では、大谷とジャッジの「MVP対決」が注目を集めるなか、両雄がポテンシャルを堂々と見せつけた。5回に前者が2試合連続となる今季29号の勝ち越し2ランを放てば、これに「少し苛立っていた」という後者も8回に負けじと50号を叩き込んだ。
互いに図抜けたパワーを見せつけ、超満員となったスタンドを大いに沸かせた。そんな二人の活躍により、MVPを巡る争いはより混迷を深めた感がある。そうしたなかで、「怪我をしない限りジャッジが受賞する」とアメリカで幅広いネットワークを誇る放送局『ESPN』は断言する。
まず、二人の活躍について「ジャッジは歴史的に最も尊敬される年間60本を超えるという数字を追い求めている。一方で大谷は彼だけしかできない目標を追っている」とした同メディアは、「より印象的かつ象徴的なシーズンを送っているのは誰か?」と主張。そのうえで、次のように論じた。
「どちらが印象的なシーズンを送ったかというのが重要になる。仮にジャッジがロジャー・マリスの打ち立てたアメリカン・リーグ記録である年間61本を超えた場合には、それは誰もが『真のホームラン記録だ』と考える。そうなれば、二刀流でのプレーがどれだけ印象的であろうと、オオタニが破るのは難しい」
もっとも、大谷の偉才ぶりを評価しないわけではない。同メディアは「打席に立てば、ブラディミール・ゲレーロJr.で、マウンド上ではシェーン・マクラナハンと同じぐらいのグレードが今季のオオタニにはある。彼が投打で異次元のプレーをしていることは認める必要がある」と指摘。しかし、「ジャッジがなぜWARで上にいるのかを考えてほしい」と主張し、あらためて「62本塁打」という歴史的大台に乗せる重要性を説いた。
「誰もが理解をしやすく、その凄さを知っている数字(61本塁打)達成することが現実的なジャッジは、やっぱりMVPの最有力候補と言わざるを得ない。だが、そこに到達しなければシナリオは変わる。そうなれば、オオタニの持つ貴重性が考慮されるかもしれない」
奇しくもマリスが61年前に残した61本塁打まで、あと11本。ジャッジの大記録達成の行方が大谷の2年連続MVPという"追い風"となりそうだ。
構成●THE DIGEST編集部
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互いに図抜けたパワーを見せつけ、超満員となったスタンドを大いに沸かせた。そんな二人の活躍により、MVPを巡る争いはより混迷を深めた感がある。そうしたなかで、「怪我をしない限りジャッジが受賞する」とアメリカで幅広いネットワークを誇る放送局『ESPN』は断言する。
まず、二人の活躍について「ジャッジは歴史的に最も尊敬される年間60本を超えるという数字を追い求めている。一方で大谷は彼だけしかできない目標を追っている」とした同メディアは、「より印象的かつ象徴的なシーズンを送っているのは誰か?」と主張。そのうえで、次のように論じた。
「どちらが印象的なシーズンを送ったかというのが重要になる。仮にジャッジがロジャー・マリスの打ち立てたアメリカン・リーグ記録である年間61本を超えた場合には、それは誰もが『真のホームラン記録だ』と考える。そうなれば、二刀流でのプレーがどれだけ印象的であろうと、オオタニが破るのは難しい」
もっとも、大谷の偉才ぶりを評価しないわけではない。同メディアは「打席に立てば、ブラディミール・ゲレーロJr.で、マウンド上ではシェーン・マクラナハンと同じぐらいのグレードが今季のオオタニにはある。彼が投打で異次元のプレーをしていることは認める必要がある」と指摘。しかし、「ジャッジがなぜWARで上にいるのかを考えてほしい」と主張し、あらためて「62本塁打」という歴史的大台に乗せる重要性を説いた。
「誰もが理解をしやすく、その凄さを知っている数字(61本塁打)達成することが現実的なジャッジは、やっぱりMVPの最有力候補と言わざるを得ない。だが、そこに到達しなければシナリオは変わる。そうなれば、オオタニの持つ貴重性が考慮されるかもしれない」
奇しくもマリスが61年前に残した61本塁打まで、あと11本。ジャッジの大記録達成の行方が大谷の2年連続MVPという"追い風"となりそうだ。
構成●THE DIGEST編集部
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