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ヤンキースの継投も偉才には通じず。常勝軍団を“必死”にさせた大谷翔平の「存在感」

THE DIGEST編集部

2022.08.31

3試合連続本塁打は逃したものの、マルチ安打は3戦継続。9回には相手ベンチも慌てさせるなど、改めてさすがの実力を発揮した。(C)Getty Images

 球界最強クラスのチームも、この男を止めるために全力を尽くしているようだ。

 メジャーリーグは現地時間8月30日、ロサンゼルス・エンジェルス対ニューヨーク・ヤンキースの一戦が行われ、ビジターのヤンキースが7対4で勝利し、連敗を3でストップした。ヤンキースは序盤から本塁打攻勢で得点を重ねたが、最大のハイライトは4回にアーロン・ジャッジが放った今季51号3ランだろう。

 そのジャッジと熾烈なMVP争いを演じている大谷翔平は、連続本塁打は2試合でストップしたものの、6回にライト前ヒット、9回に二塁打を放って今季3度目となる3試合連続マルチ安打を記録。3安打猛打賞のジャッジに負けじと好調ぶりを見せつけた格好だ。中でも印象深いヒットが9回の二塁打だった。

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 ヤンキースは先発のジェイムソン・タイオンが打球直撃により2回で降板し、細かい継投で4点のリードを保って9回までエンジェルス打線を抑えてきた。8回にはここ7試合で防御率1.42と復調したジョナサン・ロアイシーガを投入。剛球右腕は8回を3者連続三振で抑えると、9回先頭のマイク・トラウトも遊撃ゴロに仕留めた。調子を見れば、そのまま9回も任せて良かったかもしれないが、ヤンキース首脳陣は違った。
 
 迷うことなく、今季48登板で防御率2.57の左腕ワンディ・ペラルタを大谷にぶつけたのだ。確かに大谷は左腕に対し、今季183打席に立って打率.252、7本塁打、OPS.764(右投手には打率.275、22本塁打、OPS.945)とやや苦手にしていたとはいえ、走者なしの4点差という状況で、王者ヤンキースがそこまで必死になるのは意外だった。

 実際、エンジェルス番記者のレット・ボリンガーも「ヤンキースが9回1死からショウヘイ・オオタニと対戦するにあたり、左腕のワンディ・ペラルタを投入した」と、小さくない驚きも浮かべていた。もちろん、連敗を止めるために最善を尽くしたという側面もあるだろうが、もしかしたらジャッジの"ライバル"を抑えることで成績低下を狙う意図もあったのかもしれない。

 しかし大谷には、ヤンキース決死の継投も通じなかった。カウント1-1から内角に入ってきた96.5マイル(約155.3キロ)のシンカーに対して腕をうまくたたんで振り抜くと、打球は一瞬にして大谷シフトで大きく空いた三塁線を突き破ってヒットに。さらに大谷は快足を飛ばして二塁も陥れたのだ。

 試合には敗れたものの、大谷は2本のヒットを放って、打率.267→.269、OPS.882→.885と成績を上げることに成功。今日は本塁打こそ出なかったものの、改めて存在感を示したのは間違いない。

構成●THE DIGEST編集部

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