甲子園でしのぎを削った若人たちが、今度は同じユニホームを着て頂点を目指す大会が迫っている。9月9日からアメリカ・フロリダ州にて「第30回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」が開催され、日本は悲願の初優勝を目指してベースボールの母国に乗り込む。
甲子園3本塁打を放った高松商・浅野翔吾や、大阪桐蔭の大型捕手・松尾汐恩らスター候補生が納得のメンバーを入りとなったが、実戦経験十分な彼らからしても“未知”の体験が今大会では待っている。国際大会ならではの、ルールにおけるポイントを抑えておこう。
【動画】国際大会でもアーチをかけるか!? “怪物”・浅野翔吾のバックスクリーン弾をチェック
●9イニング制→7イニング制の“短期決戦”
最も大きな変更は「7イニング制」が採用されていることだろう。チームを率いる馬淵史郎監督(明徳義塾)も「極端に言えば、3打席立てるのは3番打者までの可能性もある。下位の打者には2打席しか回ってこないかもしれない。後半勝負などと考えていたら、とんでもないことになる気がしている」と、戦略に大きな変更を及ぼすとコメント。この“短期決算”をいかにマネジメントするかがカギを握りそうだ。
●少し複雑な球数制限
甲子園では“熱投”する姿が感動を呼ぶとの声もある一方で、投球過多は故障のリスクが高いことから、国際大会では以前より厳格なルール制限を設けてきた。今大会のルールは以下のようになる。
・1~49球→連投可
・50~104球→1日の休養
・105球以上→4日間の休養
例えば初日の先発投手が105球で完投した場合、次に登板できるのは5日後の第6試合から。一方で60球だった場合は、一日置いて第3試合から登板可能となる。レギュレーション上は50球未満であれば連投可ではあるものの、見知らぬ土地での環境は疲労度も高いと考えられる以上、無理は禁物。投手運用も最大限、気を配る必要がある。
●8回以降はタイブレーク
国際大会や、最近ではメジャーリーグでも延長戦の早期決着のため、タイブレーク制が導入されているが、今大会も例外はない。ただ、無死二塁からスタートするメジャーと異なり、今大会では無死一、二塁から始まるため、ともに大量得点が生まれる可能性が高い。バントで走者を送る選択もあるだろうが、1点を狙う戦術がいいかも熟慮していく必要がある。
他にも大きなものとしては、「20秒ピッチクロック」(投手は20秒以内に投球しなければならない)も導入予定。高校生の彼らは投球テンポが速いので影響は少ないかもしれないが、常にせかされながら投げるプレッシャーとも向き合う必要がある。また、木製バットの使用も、身体のでききっていない10代選手には対応力が試される。
さまざまなルールの違いを乗り越えながら、日本に初の金メダルをもたらすことができるだろうか。
構成●SLUGGER編集部
甲子園3本塁打を放った高松商・浅野翔吾や、大阪桐蔭の大型捕手・松尾汐恩らスター候補生が納得のメンバーを入りとなったが、実戦経験十分な彼らからしても“未知”の体験が今大会では待っている。国際大会ならではの、ルールにおけるポイントを抑えておこう。
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●9イニング制→7イニング制の“短期決戦”
最も大きな変更は「7イニング制」が採用されていることだろう。チームを率いる馬淵史郎監督(明徳義塾)も「極端に言えば、3打席立てるのは3番打者までの可能性もある。下位の打者には2打席しか回ってこないかもしれない。後半勝負などと考えていたら、とんでもないことになる気がしている」と、戦略に大きな変更を及ぼすとコメント。この“短期決算”をいかにマネジメントするかがカギを握りそうだ。
●少し複雑な球数制限
甲子園では“熱投”する姿が感動を呼ぶとの声もある一方で、投球過多は故障のリスクが高いことから、国際大会では以前より厳格なルール制限を設けてきた。今大会のルールは以下のようになる。
・1~49球→連投可
・50~104球→1日の休養
・105球以上→4日間の休養
例えば初日の先発投手が105球で完投した場合、次に登板できるのは5日後の第6試合から。一方で60球だった場合は、一日置いて第3試合から登板可能となる。レギュレーション上は50球未満であれば連投可ではあるものの、見知らぬ土地での環境は疲労度も高いと考えられる以上、無理は禁物。投手運用も最大限、気を配る必要がある。
●8回以降はタイブレーク
国際大会や、最近ではメジャーリーグでも延長戦の早期決着のため、タイブレーク制が導入されているが、今大会も例外はない。ただ、無死二塁からスタートするメジャーと異なり、今大会では無死一、二塁から始まるため、ともに大量得点が生まれる可能性が高い。バントで走者を送る選択もあるだろうが、1点を狙う戦術がいいかも熟慮していく必要がある。
他にも大きなものとしては、「20秒ピッチクロック」(投手は20秒以内に投球しなければならない)も導入予定。高校生の彼らは投球テンポが速いので影響は少ないかもしれないが、常にせかされながら投げるプレッシャーとも向き合う必要がある。また、木製バットの使用も、身体のでききっていない10代選手には対応力が試される。
さまざまなルールの違いを乗り越えながら、日本に初の金メダルをもたらすことができるだろうか。
構成●SLUGGER編集部
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