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「僕は3割打者。でも君は違うだろ?」――元MLB戦士が明かした偉才イチローのバットへの“こだわり”が話題に

THE DIGEST編集部

2022.09.04

繊細な技術を極めるために、道具にも特別なこだわりを持っていたイチロー。それを表すエピソードが明らかになった。(C)Getty Images

繊細な技術を極めるために、道具にも特別なこだわりを持っていたイチロー。それを表すエピソードが明らかになった。(C)Getty Images

 日本球界が誇る天才ヒッターのキャラクターが脚光を浴びている。話題の中心にいるのは、現在シアトル・マリナーズの会長付き特別補佐兼インストラクターを務めるイチローだ。

 日米両球界で金字塔を打ち立てたレジェンドは今も色褪せない。

 2001年にマリナーズに入団したイチローは持ち前の天才的な打撃スキルと身体能力で、対峙するピッチャーたちの“力”を凌駕。ルーキーイヤーにMVPと新人王を“ダブル受賞”を果たすと、2004年にはジョージ・シスラーの持っていたMLBシーズン最多安打(262)を更新。米球界に一大フィーバーを巻き起こした。

 メジャーだけで3089本ものヒットを積み重ね、文字通り「世界一の安打製造機」として、世界にその名を知らしめたイチロー。先月27日(現地時間)にはマリナーズの球団殿堂入りし、稀有な存在があらためて米メディアやファンの間でクローズアップされた。
 
 そんなレジェンドと凌ぎを削りあってきた“ライバル”たちには忘れがたい思い出がある。現地時間8月27日にMLBの公式ネットワーク番組『MLB Tonight』に出演した元サンディエゴ・パドレスのヨンダー・アロンソは、「イチローは英語が完璧に喋れる。本当にパーフェクトなんだ」と告白。現役時代に春季キャンプでオープン戦を戦った際のエピソードを明かした。

「僕らはキャンプ地が近くて、長いこと一緒にプレーをしていた。そんな時に『イチローはキャンプに4~5本しかバットを持ち込んでない』という話が仲間内であってね。俺は12本から14本も持っていたから少し驚いたんだ。だから、ある時に一塁上にいた彼に聞いたんだ。『イチ、ほんとのところバットは何本ぐらい持ち込んでいるんだ? 俺は14本ぐらいだよ』とね」

 この率直な問いかけに対し、イチローの答えはユニークなものだった。アロンソは、次のように続けた。

「イチローは俺にこう言ったよ。『ヨンダー、イチローはそんなにバットは持ち歩かないよ。イチローは3、4本だけ。なぁ思い出してくれよ。イチローは3割打者だけど、君は違うだろ』ってね。俺は思わず、『あなたは史上最高だ。たしかに俺は3割も打てないね』と答えたよ(笑)」

 さらに「とにかく道具をとても大事にしていて、移動時はたとえ機内でもバットは持ち込んだり、自分の部屋にも保管していた」(アロンソ談)というイチロー。球史に残る偉才の“商売道具”に対するこだわりは有名な話だが、今回明かされたエピソードもそれを物語っている。

構成●THE DIGEST編集部

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