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「イチローを超える可能性がある」大谷翔平に30号を許したコールの3年前の“予言”。 球界屈指の右腕が語る偉才の凄さとは<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2022.09.02

コール(右)から一発を放って30号に乗せた大谷(左)。“大谷ファン”を公言する豪腕はその活躍を3年前から予言していた!? (C)Getty Images

コール(右)から一発を放って30号に乗せた大谷(左)。“大谷ファン”を公言する豪腕はその活躍を3年前から予言していた!? (C)Getty Images

 最高の選手が、最高の場面で、最高の仕事を果たす――

 現地時間8月31日に行われたエンジェルス対ヤンキース戦。エンジェルスが0対2とリードを許して迎えた6回裏、走者一、二塁の状況で大谷翔平に打席が回ってきた。カウント2-0からの3球目、大谷がヤンキース先発ゲリット・コールの97.5マイル(約158キロ)4シームを完璧に捉えると、打球はセンター後方へ消える逆転3ランになった。

【動画】豪腕コールから圧巻の30号!大谷翔平が2年連続の30本塁打

 大谷はこの一発で今季30号に到達。日本人選手が30本塁打を複数回達成するのは史上初で、2年連続で30本塁打&100奪三振クリアも同じく史上初の快挙。記録にも記憶にも残るアーチに、日本はもちろんアメリカも大興奮だったわけだが、この見事なパフォーマンスで思い出されるのが、以前コールが大谷について語った言葉の数々だ。

 大谷が海を渡った2018年、コールもパイレーツからアストロズへ移籍し、同地区のライバルとしてしのぎを削った。二刀流に挑む大谷に、コールは純粋にリスペクトの気持ちを抱いていた。大谷の記事を読み漁り、打撃練習もこっそりのぞき見るうちに、いつの間にか大谷のファンになっていたようだ。

 19年、本誌の取材に応じたコールは開口一番、大谷について「魅力的な男だね」と笑顔を浮かべて回答。「彼の身のこなし方が好きなんだ」と続けると、さらに驚きのコメントが飛び出した。
 
「日本人では、俺が見た中で最高の打者だよ。真面目な話、イチローを超える可能性だってあると思う」

 当時メジャー2年目、まだフルシーズンを戦ったことのない24歳の大谷が、メジャー通算3089安打を積み上げた天才打者を超える才能の持ち主であると、コールは“予言”したのだ。さらにコールはこうも言っていた。
「怪我から無事に復帰してほしい。あまり過度な期待をかけることもしたくないけどね。でも、二刀流で無事に一年間、活躍できたら信じられないくらいすごいことだよ」

 そして21年、故障が完治した大谷は躍動する。打っては46本塁打&OPS.965、投げては9勝&防御率3.18の活躍で、イチローもなし得なかった満票でのMVP受賞を果たしてみせた。さらに今季も、ベーブ・ルース以来となる2ケタ勝利&2ケタ本塁打を達成し、コールのチームメイトでもある怪物アーロン・ジャッジと熾烈なMVP争いを演じている。

 昨年4月4日、大谷が“リアル二刀流”として初出場した試合を見たコールはこう語っている。「これ以上ない才能の持ち主。俺もオオタニと同じくらい速いボールを投げられるけど、バッティングなんて到底できない。彼のように打てる選手がいても、オオタニのように投げることはできないよね。僕はただ、応援席でオオタニのプレーを見ているだけだよ」

 8月31日、通算21打席目にして大谷に初の被弾を許したコール(対戦成績は20打数4安打、1本塁打、7三振、OPS.638)。打たれた瞬間、すべてを察した右腕は振り返ることなくグラブを叩き、悔しさを露にしていた。しかし彼の胸には同時に、自身がファンと公言する大谷へのリスペクトの感情が再び沸き起こっていたに違いない。

構成●SLUGGER編集部

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