米球界で新たに設けられるルールは、選手たちにさまざまな影響をもたらしそうだ。
現地時間9月9日、メジャーリーグ機構は来季から導入する新ルールを発表。試合時間の短縮などを狙った投手の投球間に時間制限を設ける「ピッチ・タイマー」の改善、守備の極端なシフトの禁止、接触プレーを防止するためのベースのサイズ拡大の3項目が加えられた。
一連の発表の中で、投打において小さくない影響をもたらしそうなのは、「極端な守備シフトの禁止」だ。昨今のメジャーでは、主に強打者と対峙した際に守備側が相手の打撃データなどをもとに内野手を片側に絞ったポジションに配置、あるいは内野の人数を増やすなど、リスクを負ったシフトが目立っている。
そんな守備シフトの影響に関して、興味深いデータが明らかになった。公開したのは、かつてソフトバンクで活躍した元助っ人のCJ・ニコースキー氏だ。
現在、米放送局『Bally Sports South West』でテキサス・レンジャーズの中継専門で解説を務めているニコースキー氏は、自身のツイッターで、今季のメジャーで最も安打を阻まれた選手が、24本の大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)だとした。
ニコースキー氏が公開したデータは、偏ったシフトの逆を突いてヒットになった数も記されている。大谷のそれは3番目に多い10本。つまりシフトがなければ、14本の安打が増える計算となる。これを現在の成績に組み込むと、総安打数は132から146本の増加。打率も.267から.295と向上。MVP争いを展開するアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)と肩を並べる打率3割も十分射程圏だ。
そのほかにはピッチクロックも二刀流戦士が影響を受ける可能性は存分にある。米メディア『Sports Naut』によれば、大谷の投球間に要する時間は平均21.4秒。これは新たに導入される「投手は走者なしの場合は15秒以内に投げる」に反するものとなるために改善が必要だ。
もっとも、今季に500球以上を投げた投手の平均投球間タイムは約15秒。そのため、投球の間合いをいかに縮め、自身の投球リズムをどう作っていくのかが、大谷だけでなく多くの投手の来季に向けた課題になりそうだ。
構成●THE DIGEST編集部
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そんな守備シフトの影響に関して、興味深いデータが明らかになった。公開したのは、かつてソフトバンクで活躍した元助っ人のCJ・ニコースキー氏だ。
現在、米放送局『Bally Sports South West』でテキサス・レンジャーズの中継専門で解説を務めているニコースキー氏は、自身のツイッターで、今季のメジャーで最も安打を阻まれた選手が、24本の大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)だとした。
ニコースキー氏が公開したデータは、偏ったシフトの逆を突いてヒットになった数も記されている。大谷のそれは3番目に多い10本。つまりシフトがなければ、14本の安打が増える計算となる。これを現在の成績に組み込むと、総安打数は132から146本の増加。打率も.267から.295と向上。MVP争いを展開するアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)と肩を並べる打率3割も十分射程圏だ。
そのほかにはピッチクロックも二刀流戦士が影響を受ける可能性は存分にある。米メディア『Sports Naut』によれば、大谷の投球間に要する時間は平均21.4秒。これは新たに導入される「投手は走者なしの場合は15秒以内に投げる」に反するものとなるために改善が必要だ。
もっとも、今季に500球以上を投げた投手の平均投球間タイムは約15秒。そのため、投球の間合いをいかに縮め、自身の投球リズムをどう作っていくのかが、大谷だけでなく多くの投手の来季に向けた課題になりそうだ。
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