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“勝てなくても”大谷翔平はMVPの価値あり! 米識者が独自見解「ジャッジとトレードしてもエンジェルスは良くならない」

THE DIGEST編集部

2022.09.23

チームが勝てなくてもMVP受賞の価値があると現地メディアから評価された大谷。(C)Getty Images

 現地時間9月20日に行なわれたピッツバーグ・パイレーツ戦で、60本塁打をマークしたアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)は、1961年にロジャー・マリスが樹立したア・リーグ年間本塁打記録(61本)まで1本に迫った。

 シーズン中の達成はまず間違いない状況となっている。無論、そうなると日増しに激しさを増している大谷翔平とのア・リーグのMVP論争は、ジャッジが大きく優位に立ちそうな様相だ。

 ジャッジを推す人々の意見の大半は、二刀流の偉業を認めながらも、エンジェルスの今季の低迷している成績を挙げ、「大谷はチームを勝たせていない」というところに行き着く。チームが勝たなければ意味がないというのもある意味で当然かもしれない。

 それに異を唱えたのが、米メディア『FOX Sports』アナリスト、ベン・バーランダー氏だ。かねてから大谷の偉才ぶりを評価してきた同氏は「バスケットボールやフットボールではMVPの選手がチームの中にいれば、間違いなく、プレーオフに進出できるが、野球はそうではない。世界最高の選手を持っていても、あまり良いチームにはならない」と述べている。

 また、同氏は過去10年間、世界最高の選手と言われているエンジェルスのマイク・トラウトの例を挙げている。

 トラウトはMVPを過去3度も受賞し、14年にポストシーズンに1度だけ出場したが、チームはディビジョンシリーズ3連敗であっけなく敗退しているのだ。また、過去6年間のメジャーでMVPを獲得した12人のうち5人がプレーオフに進出できていない。

 そんなデータをふまえたうえで、バーランダー氏は「ヤンキースとエンジェルスがジャッジとオオタニを交換したとしても、エンジェルスはまだ良いチームではないだろう。ヤンキースがア・リーグ東地区を制する可能性は高い」と述べ、ゲームの大半は、一人に選手の手に負えないのにもかかわらず、その両方をエリートレベルでこなす大谷をリーグで最も価値のある選手と言及している。
 
 昨季に続いて二刀流でハイパフォーマンスを展開している大谷。8月には1918年のベーブ・ルース以来、104年ぶりとなる「2桁勝利&2桁本塁打」を達成し、2年連続でのMVP獲得に期待が高まっている。MVPを取るには十分過ぎるくらい十分だ。

 ジャッジが本塁打を打つたびに、そして大谷が前人未到の記録を更新するたびにいろいろな観点から、白熱するMVP論争、投票者はどう判断するのか。歴史に残るだろうMVPの発表が待ちきれない。

構成●THE DIGEST編集部

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