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ペドロ&ジョンソン級の大谷翔平。二刀流の真価を発揮する偉才は「過小評価されている」と思わせるほど異次元だ

THE DIGEST編集部

2022.10.01

投打で違いを生み出し続ける大谷。その活躍は米識者たちから止まぬ賛辞を贈られるほどに、図抜けたものがある。(C)Getty Images

 投げるたび、打つたび、そして走るたびに、球史を作り続ける異能のスターが、またしても異次元のパフォーマンスを見せつけた。

 ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平は現地時間9月29日、本拠地で行われたオークランド・アスレティックス戦に「3番・投手&DH」で先発出場すると、8回2死までノーヒットノーランを継続する圧巻の投球を披露。8回(108球)を投げ、被安打2、無失点、1四球、10奪三振で15勝目を挙げた。

 8回2死からコナー・カペルに初安打を打たれ、ノーヒットノーランの快挙は幻に終わった。それでも試合前に残り9イニングに迫っていた規定投球回を、あと1イニングとして、史上初の投打ダブル規定到達をより現実的なものとした大谷は、またひとつ格を上げた感がある。

 とりわけ驚異的なのは「投手・大谷」だ。この試合の結果を受け、リーグ3位の15勝とした彼は、防御率2.35は4位、213奪三振も3位、奪三振率11.91に至っては1位と堂々たるスタッツを記録。これ以上のハイアベレージを27登板で達成した投手は、実はMLBでも2人しかいない。

ランディ・ジョンソン(1997年)
20勝、防御率2.28、奪三振数291、奪三振率12.30
ペドロ・マルティネス(1999年)
23勝、防御率2.07、奪三振数313、奪三振率13.20
 
 いずれも言わずと知れた球史に残る大投手。そんなレジェンドたちに迫る投手成績を記録しながら、打っては打率.275、34本塁打、OPS.887というスラッガーとして、一流の部類に入るアベレージを残すのだから、大谷はやはり「異次元だ」。

 無論、二刀流戦士の快投はMVPレースを巡る論争もふたたび白熱させている。ア・リーグ記録に並ぶ61本塁打を放っているアーロン・ジャッジ(ヤンキース)の傑出ぶりを称える声は凄まじいが、あらためて大谷を評する声も絶えない。トロント・ブルージェイズのSNSを統括するアリ・カーン・カミサ氏は、次のように自身のツイッターで持論を展開している。

「オオタニは史上最も才能のある選手だ。彼が球界のあらゆる面でやっていることは驚くべきことだ。にもかかわらず、いまだに過小評価されているように感じるね」

 最終的にジャッジがMVPを受賞してもおかしくはない。"飛ばないボール"が導入され、球界全体で打低傾向となっているシーズンにあって61本塁打は素晴らしい。だが、一部の米識者たちが言うほど、一方的な展開にはならないのではないか。むしろ、このアスレティックス戦の快投を見る限り、大谷が2季連続で"最も価値のある男"となっても、何らおかしくはないはずである。

構成●THE DIGEST編集部

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