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“伝説左腕級”だった投手・大谷翔平。球界を席巻した異次元の二刀流に米記者も感嘆「どれだけ常軌を逸しているか」

THE DIGEST編集部

2022.10.06

マウンドで絶対的な存在感を放った大谷。打者としての偉才ぶりに賛辞が止む気配がない。(C)Getty Images

 メジャー5年目に大谷翔平はこれ以上ない結果を残した。

 現地10月5日、今季最終戦となる敵地でのオークランド・アスレティックス戦に「3番・投手兼DH」で先発出場した大谷は、5回(69球)を投げ、被安打1、6奪三振、1失点と力投。惜しくも16勝目は逃したが、MLB史上初となる投打‟ダブル規定到達"の偉業を成し遂げ、シーズンを締めくくった。

 数多のスター選手たちがしのぎを削るメジャー球界。「唯一無二」とも評される傑出した才能の持ち主は、またしても異彩を放った。

 ベーブ・ルース以来となる104年ぶりの「2桁勝利&2桁本塁打」の達成、さらに史上初となる「30本塁打&2桁勝利」もやってのけた大谷。今季の彼は満票MVPとなった昨季以上に異次元で、二刀流の真価を発揮したと言っていい。

 とりわけ圧巻だったのは、「投手・大谷」。15勝(9敗)、防御率2.33、219奪三振はいずれもメジャーキャリアハイ。さらに1.20以下を出せば「エース級」と言われるWHIPは1.01、奪三振率もリーグトップの11.87。これを34本塁打、95打点、OPS.875を記録したスラッガーがやっているのだ。それだけで、どれだけ大谷が際立っているかがお分かりいただけるだろう。
 
 歴史的に見ても稀有なスタッツだ。というのも、WHIP1点台を記録した投手で、今季の大谷を防御率と奪三振率で上回るのは、1997年のランディ・ジョンソンしかいないのだ。

 かつて"ビッグユニット"の異名で球界を席巻したレジェンド左腕は、同年にWHIP1.05を記録。そのうえで防御率2.28、奪三振率12.30(奪三振数291)を叩き出し、サイ・ヤング賞こそロジャー・クレメンスに譲ったが、一大フィーバーを巻き起こした。

 投手としてレジェンド級、打者としても一流の部類に入る成果を上げた大谷。そんな二刀流戦士の異次元さに識者たちも脱帽するしかない。米スポーツブックメーカー『Draft Kings』などに寄稿しているガリオン・ソーン氏は、「私は基本的に『当たり前のことと思うな』というツイートは好きじゃない」と前置きしたうえで、次のように説いてみせた。

「でも、ショウヘイ・オオタニはどれだけ常軌を逸しているか。我々は彼を当たり前のことと思ってはいけない」

 打つたび、投げるたび、そして走るたびに球界を騒然とさせた大谷。彼は今季もまたメジャーという大舞台で十分すぎるほどの娯楽を提供した。

構成●THE DIGEST編集部

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