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「不可能を現実にした」大谷翔平に米記者が脱帽! 注目のMVP争いにも「野球選手がどうあるべきかを再定義した」と主張

THE DIGEST編集部

2022.10.07

球界でも屈指の好成績を投打で残した大谷。彼の圧倒的なパフォーマンスは目の肥えた米記者たちをも驚かせる。(C)Getty Images

 球史に刻んだ投打の成績が偉才の凄みを物語る。大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)のそれだ。

 メジャーという「野球最高峰」の舞台で二刀流を貫き続けて5年。時に周囲からは「どちらか一方に絞るべき」「タイトなメジャーでは無理」と批判され、厳しい逆風に晒された。それでもエンジェルス入団当初から「そのためというか、それもひとつの目標だった」と信念を曲げなかった大谷は、まさに今季、真価を発揮したと言っていい。

 打っては打率こそ.273ながら34本塁打、95打点、OPS.875とスラッガーとして一流の数字を記録。一方で投手としても15勝、防御率2.33、奪三振率11.87のハイアベレージをマーク。投手が1投球回あたり何人の走者を出したかを表すを表す指標「WHIP」の1.01は、文字通りエース級の値でもあった。

 ここまで図抜けた成績を残せば、MVPに推されるのは必然だろう。もっとも、今季は往年の大打者ロジャー・マリスが61年前に打ち立てたア・リーグ記録を超える62本塁打を放ったアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)が「筆頭候補」とも言われるが、二刀流で異次元の活躍を見せた28歳のサムライを推す声は根強い。いまだ識者やファンの間で論争が繰り広げられているのも事実だ。

 そうしたなかで「オオタニには議論の余地のない真実がある。彼は不可能を現実のものにしている」と訴えたのは、米スポーツ専門局『ESPN』の敏腕記者であるジェフ・パッサン氏である。
 
 無論、MVPを巡る議論が白熱しているのは知っている。そのうえでパッサン記者は、「彼がこの1年で成し遂げたことを言葉で表現するのは容易ではない」と意見。そのうえで「あのベーブ・ルースでさえも、二刀流に挑み、そして数年で『この仕事量を毎年維持できる人間はいない』と言った。だが、オオタニは2年連続でハイペースを維持しており、28歳にして衰えを感じさせない。むしろ、ますます凄みを増している」と主張した。

 そして、「オオタニは野球選手がどうあるべきかを再定義した。彼はユニコーン(唯一無二の存在を指す)の中のユニコーン。そして、彼を本当の意味で評価するには、単純に我々が指摘する言葉を鵜呑みにしたり、数字に溺れる必要はない」と断言したパッサン記者は、次のようにレポートを結んでいる。

「彼は満点のユニコーンだ。同じシーズンに打点王とERAのタイトルを獲得した選手は他にいない。だが、オオタニはそれを達成した。そして、いずれ我々はほとんどの人が考えたことのない質問に答えなきゃいけない。『ユニコーンの本当の価値とは何か?』」

 MVP(Most Valuable Player)とは、文字通り最も価値のある選手を定義するもの。二刀流で「唯一無二」の価値を示した大谷が、投票権を持つ現地の記者間でいかに評価されるかは実に興味深い。

構成●THE DIGEST編集部

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