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2年連続で二刀流を成功させた影響は広がるばかり! U-18米代表の逸材が語った大谷翔平「若い世代も変えてくれたんだ」

THE DIGEST編集部

2022.10.09

今季もMVP級の働きを見せた大谷。そのパフォーマンスは次世代にも刺激を与えている。(C)Getty Images

 MVPを満票で手に昨季に続き、今季もまた異次元だった。大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)である。

 開幕から自己ワーストの7戦本塁打なしと、今季のスタートはやや苦しいものだった。それでも尻上がりに調子を上げていき、徐々に数字も伸ばしていった。そして、8月には、昨季にわずか1勝だけ届かなかったベーブ・ルース以来104年ぶりとなる「シーズン2桁本塁打&2桁勝利」を達成した。

 その後もほぼ欠場せずに戦い続けた大谷は、今月5日に行なわれたオークランド・アスレティックスとのレギュラーシーズン最終戦で「3番・DH兼投手」で先発登板すると、5回を投げ切って規定投球回に到達。史上初の「規定投球回&規定打席のダブルクリア」をやってのける。おそらくこの先、誰も達成できないと思われる偉業を球史に刻んだのだ。

 冷静に見ても今季のスタッツは凄まじく、"二刀流"としては昨季以上とも言える。いわゆる投手三冠(勝利・防御率・奪三振)の項目でリーグトップ5にランクインし、打者としてもリーグ4位の34本塁打と、リーグ5位のOPS.875をマークした。世界最高峰の舞台でプレーしながら、投打にこれだけハイレベルにこなしたのは、多くの人々の予想や想像の遥か上を行った感がある。

 無論、大谷の活躍による影響は球界全体に波及する。それはメジャーだけにとどまらず、将来性豊かなアマチュア球界にまで及んでいるのだ。

「ショウヘイは球界を完全に変えてくれた。本当に彼がしてくれたことを嬉しく思う」
 
 そうハッキリと語ったのは、U-18アメリカ代表の主砲ブライス・エルドリッジ。今夏に開催されたU-18ワールドカップで母国を世界制覇に導いたエリートである。

 かく言うエルドリッジも投手と一塁手を兼任する二刀流だ。去る世界大会でも、その実力を見せつけて自身もMVPを手にしたティーンエージャーは、現地9月29日に公開されたMLB公式ネットワーク番組『MLB Central』で、「5年前だったら二刀流は僕らでさえもやるのは不可能だと言われていた」と振り返り、大谷への憧れを強調した。

「ショウヘイはプロだけじゃなく、高校生や、もっと若い世代も変えてくれたんだ。今なら(二刀流を)目指せるし、それを夢見て実現することができるんだと、彼は証明してくれたんだ」

 大谷への感謝の想いを語った18歳。番組で「でも、成功例は多くない。何年間も162試合の二刀流を続けられると思う?」と問われると、「もちろんだよ」とキッパリ。そして、こう続けた。

「ショウヘイはこの2年もそれをやり続けているからね。それに新たな二刀流も出てくると思うんだ。彼らだってやり続けるよ。だからやり続けることは可能だ。もちろん簡単ではないよ。でも、両方をやることに熱心に取り組む姿勢を保って、巧くやる方法さえ覚えれば、メジャーで成功するケースは増えていくはずさ」

「絶対に二刀流は可能だと思うし、僕もやるつもりだ」――18歳の野球青年に大きな夢を抱かせる大谷。この事実こそが、何よりも彼の偉大さを物語ると言えるのではないだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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