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今オフFA権を取得するジャッジの去就は? ヤ軍GMは残留を熱望「彼がニューヨークに戻ってくることを望んでいる」

THE DIGEST編集部

2022.10.10

シーズン後にFA権を取得するジャッジ。来季もヤンキースのユニフォームを着てプレーするのだろうか。(C) Getty Images

 稀代のスラッガーは、愛するピンストライプのユニフォームに別れを告げるのか。

 現地時間10月9日、ニューヨーク・ヤンキースのゼネラルマネージャー(GM)、ブライアン・キャッシュマンが、今オフにフリーエージェント(FA)の資格を得るアーロン・ジャッジについて語った。

 公式サイト『MLB.com』のブライアン・ホッチ記者によると、キャッシュマンGMは今シーズン、アメリカン・リーグ年間最多62本塁打を放ったジャッジについて「野球界全体を魅了した。彼の偉大さはMLB全体とヤンキースファンに与えた素晴らしい贈り物だった」と最大級の賛辞を贈った。

 今シーズンのジャッジは打率.311(リーグ2位)、本塁打62(リーグ1位)、打点131(リーグ1位)、OPS1.111(リーグ1位)と、リーグ三冠にあと一歩まで迫る歴史的なシーズンを送った。特に、62本塁打は61年間破られることがなかった大記録を残り1試合で更新し、全米中を熱狂させた。

 ジャッジは今シーズン終了後にFA権利を初めて取得する。シーズン前にはヤンキースから7年総額2億1350万ドル(約310億円)で契約延長を提示されたが、それを断りシーズン後にFAとなることを選択した。

 キャッシュマンGMは「彼は自分自身に賭けた偉大な選手だ。史上最高の賭けだった」と評価し「彼は今シーズン健康であった。健康な時の自分のパフォーマンスを知っている彼は健康であれば常に大きな数字を残してきたし、今回もずっと健康でいられた。素晴らしい成績だ。見ていてとても特別な気持ちになったよ」と、チームを離脱することなく、さらには地区優勝に導いたスラッガーを絶賛した。
 
 今オフ、ジャッジの評価はさらに高くつくはずだ。現役MLB最高額のマックス・シャーザーの年俸4,333万ドル(約62億円)に迫るのか。あるいは球団OBのアレックス・ロドリゲスの5,000万ドル(約72億円)もあり得るのだろうか。キャッシュマンGMは、ジャッジとの契約について慎重に言葉を選ぶ。

「そこには金の壺がある。その重さがいくらかはまだ確定していないが、間違いなく金塊の壺だ。だから、ジャッジにとってはいいことだ。すでに大きな壺だったが、明らかにもっと大きくなっているだろう。彼は、たくさんの選択肢を持てる素晴らしいポジションに自分を置いているんだ」

 FA期間が始まる前にヤンキースと契約が成立しなかったと仮定すれば、他に手を挙げる球団はサンフランシスコ・ジャイアンツ、ロサンゼルス・ドジャース、ニューヨーク・メッツ、ボストン・レッドソックスなどが参加する可能性があると、ホッチ記者は推測する。

「もちろん、その議論に勝利したい。もう一度ジャッジに聞く必要があるなら、もう一度言うよ。もちろん、我々は彼がニューヨーク・ヤンキースとして戻ってくることを望んでいる」と、キャッシュマンGMは改めて残留を熱望した。

「私たちは常に、自分たちが引き留めたいと思う選手を引き留めようと競争している。ある時は成功し、ある時は失敗する。我々は常に競争し合い、他チームからFA選手を獲得しようとする。そこで成功したこともあれば、失敗することもある。それが市場のプロセスの一部だ」

 はたしてジャッジは、シーズン後にどんな結論を出すのだろうか。ヤンキースは現地時間11日から、クリーブランド・ガーディアンズとの地区シリーズを迎える。

構成●THE DIGEST編集部

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