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プロ野球

【2022ドラフト候補を一挙解説】“二刀流”矢澤を最も評価する球団は? 今秋はサプライズ指名連発の予感も<SLUGGER>

西尾典文

2022.10.11

二刀流で話題の日体大・矢澤がトップ。果たしてどのチームが彼を射止めるのか? 写真:徳原隆元

二刀流で話題の日体大・矢澤がトップ。果たしてどのチームが彼を射止めるのか? 写真:徳原隆元

 まず、今年のドラフトで高校球界から浮上してきたのは浅野翔吾(高松商)と松尾汐恩(大阪桐蔭)の2人だ。

 浅野は夏の甲子園で3本塁打を放つ大活躍を見せ、とくに逆風を突いて右中間に放り込んだ当たりにはプロのスカウトからも驚きの声が上がった。すでに巨人が1位指名を公言しているが、他にも競合覚悟で入札してくる球団もありそうだ。

 一方の松尾も夏の甲子園で抜群のスローイングとフットワークを披露し、さらにバッティングでも3季連続となるホームランを見せつけた。浅野に比べると引っ張り偏重の打撃を不安視する声もあるが、U- 18W杯では木製バットにしっかり対応しており、内野手としての可能性があることもプラスだろう。

 また、もう一人、高校生野手で1位候補になりそうなのが内藤鵬(日本航空石川)だ。打撃特化型の選手だが、飛ばす力は間違いなくナンバーワン。将来の中軸候補が欲しい球団は真っ先に指名することも考えられる。

 高校生投手では万全な1位候補は不在だが、斉藤優汰(苫小牧中央)、門別啓人(東海大札幌)、安西叶翔(常葉大菊川)はそれぞれ特徴があるだけに、上位指名の可能性は高い。

 大学生では二刀流の矢澤宏太(日本体育大)を最終的なランキングでも1位としたが、プロでどのように起用するかによって評価が分かれるだろう。ただ、投手としても150キロを超えるサウスポーは貴重で、外野の守備と走塁に関してはプロでもすでに上位のレベルにあるのは間違いない。どの球団がどんな評価で指名するかというのが最大の注目ポイントと言える。

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 大学生の投手では曽谷龍平(白鴎大)、荘司康誠(立教大)、金村尚真(富士大)、菊地吏玖(専修大)の4人が有力な上位候補だが、なかでもやはりサウスポーということで曽谷の人気が高くなりそうだ。大型で三振を奪えるのは大きな魅力で、まだまだ成長も見込める。複数球団の入札も十分に考えられるだろう。

 大学生野手も強打者タイプは蛭間拓哉(早稲田大)、澤井廉(中京大)、山田健太(立教大)、リードオフマンタイプは友杉篤輝(天理大)、田中幹也(亜細亜大)、捕手なら野口泰司(名城大)とそれぞれ有力候補が揃っている。展開次第では彼らも1位に入り込んでくる可能性はありそうだ。

 社会人では投手の吉村貢司郎(東芝)、益田武尚(東京ガス)が双璧。吉村は都市対抗こそ初戦で0対1と惜敗したものの、1年を通じて高いパフォーマンスを見せている。即戦力という意味ではナンバーワンと言える存在だ。益田は昨年痛めたわき腹の状態が心配されていたが、都市対抗本選で見事な投球で評価を上げた。こちらも有力な1位候補となりそうだ。

 夏から浮上してきた選手では浅野、安西、ソフトバンクが1位指名を公言したイヒネ・イツア(誉)など高校生が多いが、全体的には投手、野手ともやはり大学生が中心の年となりそうだ。ただ、即戦力というと物足りない選手が多いだけに、抽選を外した時には将来性を重視して高校生が浮上してくることも考えられる。例年以上にサプライズと言える1位や2位指名が多くなる可能性も高いだろう。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

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