チームが劣勢に立たされるなかで、虎の若き主砲は悔しさをかみしめていたに違いない。
10月12日に行なわれたセ・リーグのクライマックスシリーズファイナルステージ第1戦は、ある意味で地力の差が出る結果となった。本拠地・神宮球場にリーグ3位からの"下剋上"を狙う阪神を迎え撃ったヤクルトが、7対1で勝利した。
初回にホセ・オスナのスリーランアーチで先手を取ったセ・リーグ覇者が、最後まで猛虎の反攻を許さない盤石の試合内容。そのなかでヤクルトバッテリーの配球にしてやられ、打席での覇気を失っていたのが、佐藤輝明である。
DeNAとのファーストステージに続いて、この日も「6番」で起用された佐藤。しかし、終わってみれば、4打数無安打、それも3三振と散々たる内容に終始。実際、バッティングを見ても甘い球を見逃し、厳しい高めのボール球を振ってしまうシーンが悪目立ちし、相手に主導権を握られ続けるものとなった。
あえて厳しく言えば、虎の拙攻を繋がったと言っていい。それだけに現場で佐藤を見つめたレジェンドからもゲキが飛んだ。この試合の中継で、ゲスト解説を務めた元ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜氏は、「やっぱり見極めをちゃんとできるか、できないか」と指摘した。
松井氏が思わず力を込めたのは、チームが5点を追っていた5回の第2打席だ。1死無塁で、一発とは言わないまでも、チームとしては長打で得点機を生み出してほしい局面だった。しかし、ここで佐藤はカウント1-2から外角低めへのボールになるフォークを振らされ、空振り三振を喫した。
たった4球で打席を終えてしまった虎の背番号8に、"ゴジラ"の異名で知られたレジェンドは、こう説いている。
「やっぱりホームランバッターは四球が増えないと。そうしないと率も上がらない。慣れも必要でしょうけど、考え方というかアプローチも大切。今の打ち方だったら何回やっても打てない。ピッチャーの一人ひとりに対する対策が必要になりますよね」
阪神では田淵幸一氏以来、左打者ではNPB史上初となるルーキーイヤーから2年連続で20本塁打を達成した佐藤。ポテンシャルは間違いないからこそ、同じ左の長距離砲からの金言をさらなる飛躍に繋げたい。
構成●THE DIGEST編集部
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あえて厳しく言えば、虎の拙攻を繋がったと言っていい。それだけに現場で佐藤を見つめたレジェンドからもゲキが飛んだ。この試合の中継で、ゲスト解説を務めた元ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜氏は、「やっぱり見極めをちゃんとできるか、できないか」と指摘した。
松井氏が思わず力を込めたのは、チームが5点を追っていた5回の第2打席だ。1死無塁で、一発とは言わないまでも、チームとしては長打で得点機を生み出してほしい局面だった。しかし、ここで佐藤はカウント1-2から外角低めへのボールになるフォークを振らされ、空振り三振を喫した。
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「やっぱりホームランバッターは四球が増えないと。そうしないと率も上がらない。慣れも必要でしょうけど、考え方というかアプローチも大切。今の打ち方だったら何回やっても打てない。ピッチャーの一人ひとりに対する対策が必要になりますよね」
阪神では田淵幸一氏以来、左打者ではNPB史上初となるルーキーイヤーから2年連続で20本塁打を達成した佐藤。ポテンシャルは間違いないからこそ、同じ左の長距離砲からの金言をさらなる飛躍に繋げたい。
構成●THE DIGEST編集部
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