プロ野球の日本シリーズ・東京ヤクルトスワローズ対オリックス・バファローズの第２ラウンドが23日、第１戦に続いて神宮球場で行なわれた。前日はヤクルトの一発攻勢に沈み、初戦を落としたオリックス。先発には今季５勝（８敗）の山﨑福也がマウンドに上がった。

　その山﨑は、なんとバッティングでチームに勢いをつけた。３回に先頭バッターの７番紅林弘太郎がライトへの二塁打で出塁すると、８番伏見寅威の二塁ゴロの間にランナーは三塁へ進塁。９番の山﨑にチャンスが回ると、ヤクルト先発のサイスニードが投じた初球のチェンジアップを見事に右安打で運び、待望の先制点を挙げる。打者顔負けの見事なバッティングに、打った山﨑本人も笑みがこぼれ、ベンチに向かって右腕を挙げて応えた。

　勢いに乗ったオリックス打線は、この回１点を追加し２対０でリード。さらに５回、５番・杉本裕太郎のタイムリー内野安打で３対０とリードを広げると、自慢の救援陣を惜しげもなく投入。ランナーを出しながらも、なんとかヤクルト打線を８回まで封じ込めた。

　このままオリックスが１勝１敗のタイに戻すのか。そう誰もが予感した９回に、最大のドラマが待っていた。
  　オリックスは９回に今季22ホールドで防御率0.61を誇る阿部翔太を投入。逃げ切りを図ったが、ヤクルト打線がついに反撃。９番・宮本丈がセンターへの二塁打で出塁すると、１番・塩見泰隆が四球を選び無死１、２塁にチャンスを広げる。ここで高津臣吾監督は20歳の若武者、内山壮真を代打に送る。内山はカウント2-2から阿部が６球目に投じた141キロのストレートをフルスイング。レフトへの起死回生の同点３ラン本塁打を放ち、ヤクルトが土壇場で追いついた。
【動画】ヤクルト内山壮真の値千金同点３ラン本塁打をチェック

　打球がスタンドインした瞬間、神宮球場は興奮のるつぼと化し、内山の値千金のホームランを打った場面を投稿した『テレビ朝日野球（公式）』のＳＮＳには「そまくん同点本塁打はアツすぎる」「壮真の未来に期待するしかない」「20歳の未来のレギュラー捕手。ヤクルトの未来はまだまだ明るい」「この場面で打てるの凄すぎる」「これは何回見ても気持ちい！」とファンの歓喜の声が並んだ。

　勝利目前で同点３ランを浴びた阿部はマウンドでうな垂れたものの、気持ちを切り替えて後続の３番・山田哲人と４番・村上宗隆をなんとか抑え、延長戦に望みをつないだ。延長戦は両チームの救援陣が踏ん張り、手に汗握る展開に。試合は一進一退で進み、結局３対３の引き分けに終わった。

　日本シリーズの引き分けは2018年の第１戦、広島東洋カープ対福岡ソフトバンクホークス（マツダスタジアム）が２対２で終えて以来、４年ぶり通算９度目。試合時間は５時間を超え、死力を尽くした両チームの激闘は、日本シリーズの歴史にまた一つ新たなページを加えたと言っていいはずだ。

構成●THE DIGEST編集部

【関連記事】延長12回両者譲らず３-３引き分け！ ヤクルトは驚異の粘り!! 内山壮真が９回起死回生の代打同点３ラン【日本シリーズ第２戦

【関連記事】甘い球を逃さなかったオスナと、難しい球を狙いに行った杉本。日本シリーズ第１戦の勝負を分けた“５番の差”

【関連記事】三冠王・村上宗隆のダメ押し弾でヤクルトが連覇へ好発進！塩見泰隆＆オスナは投手４冠の山本由伸からアーチ【日本シリーズ】