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MLB

“最も過大評価されている男”ブライス・ハーパーがポストシーズンで躍動。世界一の使者となり、今度こそ正当な評価をつかめるか<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2022.10.27

リーグ優勝決定シリーズを勝ち抜いたハーパー。ワールドシリーズでも引き続き活躍できるか。(C)Getty Images

リーグ優勝決定シリーズを勝ち抜いたハーパー。ワールドシリーズでも引き続き活躍できるか。(C)Getty Images

 現地10月28日から、いよいよワールドシリーズが開始される。2年連続でコマを進めたアストロズに挑むのは、第3ワイルドカードからの下剋上で、13年ぶりの進出を決めたフィリーズだ。

 その立役者となったのが、フィリーズの主砲ブライス・ハーパーだ。22日の第4戦では5回に同点タイムリー二塁打を放ち、セカンドベース上で拳を突き上げた後、胸の「PHILLIES」の文字を両手で指してファンの熱狂を煽った。さらに23日の第5戦では、1点ビハインドの8回にレフト方向へ飛び込む確信歩きの逆転2ラン。これが決勝点となり、NLCSのMVPにも選ばれた。

 ワイルドな風貌と感情を前面に押し出したダイナミックなプレースタイルが売りのハーパーは、間違いなくMLB最大級のスター選手だ。昨季も含めてMVPに2度輝き、今季年俸は2600万ドル(約39億円)。実績もスケールも文句なし……のはずが、実は彼には常に「過大評価」との声がつきまとっている。スポーツ専門チャンネル『ESPN』や、ニュースサイト『ジ・アスレティック』などが実施している現役選手への「最も過大評価されている選手は?」アンケートでも、ハーパーは1位の常連となっている。
 
 
 なぜそんなことになっているのか。それは、ハーパーがあまりにも早くから頭角を現していたことに起因している。そもそも彼は、メジャーでのキャリアがずっと始まる前から注目を集める“神童”だった。幼少期から頭角を現し、まだ16歳だった09年には、アメリカ最大手のスポーツ専門雑誌『スポーツ・イラストレイテッド』の表紙を飾るという、アマチュア選手としては異例の快挙を成し遂げた。

 表紙にはバットを振るハーパーの写真とともに、「CHOSEN ONE(選ばれし者)」というキャッチフレーズがデカデカと書かれ、「570フィート(約173.7メートル)のホームランを打ち、96マイル(約154.5キロ)の速球を投げる16歳」「レブロン・ジェームス(NBAのスーパースター)以来のエキサイティングな天才」と、これでもかとばかりに期待を煽るな宣伝文句が詰め込まれている。そして、10年のドラフトでは当然のように全体1位でナショナルズから指名された。
 
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