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MLB

千両役者ぶりを発揮したハーパー。元阪神スアレスの剛球を打ち砕いた猛打に感嘆の声止まず「あれはベストピッチだ」

THE DIGEST編集部

2022.10.24

スアレス(手前)の速球を完璧に捉えたハーパー(奥)。この一発でチームをワールドシリーズ進出に導いた。(C)Getty Images

スアレス(手前)の速球を完璧に捉えたハーパー(奥)。この一発でチームをワールドシリーズ進出に導いた。(C)Getty Images

 フィラデルフィアが沸いた。

 現地10月23日に行なわれたナショナル・リーグの優勝決定シリーズ第5戦で、優勝に王手をかけていたフィラデルフィア・フィリーズは、サンディエゴ・パドレスを4対3で撃破。見事に13年ぶりのリーグ制覇とワールドシリーズ進出を決めた。

 殊勲者となったのは、主砲のブライス・ハーパーだ。7回までに2対3と逆転されていたホームチームは8回裏に相手2番手で、元阪神のロベルト・スアレスと対峙。先頭のJT・リアルミュートがレフト前ヒットを放ち、無死1塁の好機を演出していた。

 本拠地のファンが一気に湧きかえり、勝ち越しへの機運が高まるなかで、打席に立ったハーパー。試合後に「俺はサンディエゴで彼に速球で抑えられていたから、それを狙っていた」と語った30歳は、カウント2-2からの7球目、外角真ん中に投じられた98.9マイル(約159.1キロ)の2シームをジャストミート。左中間方向へ高々と舞い上がった打球は、あっという間にフィリーズ・ファンで埋め尽くされたスタンドに着弾した。

「信じられないよ。あれはスアレスのベストピッチだ」
 
 そう語るのは、マスクを被っていたパドレスの捕手オースティン・ノラ。ハーパーからすれば、狙い通りの打席だった。

 パドレスのリリーフエースとして君臨してきた剛腕の速球を打ち砕き、チームをワールドシリーズへと歩ませたハーパー。第6シードから勝ち上がってきたフィリーズの快進撃を象徴するような彼の劇的な一打には、現地識者たちも驚きと興奮を隠しきれずにいる。

 米放送局『FOX Sports』のポッドキャスト番組「The Carton Show」に出演するコディ・デッカー氏が「これはもはや芸術だ」と絶賛すれば、米メディア『Barstool Sports』の名物記者であるジャレッド・カラビス氏は「16歳で雑誌の表紙を飾り、ワールドシリーズの前にリーグMVPも獲得した。ハーパーとは常にそういう男であり続けている」と褒めちぎった。

 無論、チーム内からも賛辞は止まらない。ザック・ウィーラーは「彼は大事なところで出てくるたびに、何かやってのけるショーマンなんだ。それが僕らと契約した理由であり、街は彼を愛している」と称えると、指揮官のロブ・トムソンは、主砲の出色のパフォーマンスにただただ脱帽した。

「あれこそスーパースターだよ。ああいうことができるから彼はMVPになったんだ。多く選手はああいう場面で上手くいかない。時にはスターですら打てないことはある。でも、彼は打つんだ。スーパースターだからね」

 役者が違う――。まさにそれを証明してみせたハーパー。その存在感は勝ち上がるにつれて増している。

構成●THE DIGEST編集部

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