世界一を懸けたメジャー・リーグ（MLB）のワールドシリーズ（WS）が、現地時間10月28日から開幕する。今季の決勝カードは、ヒューストン・アストロズ対フィラデルフィア・フィリーズの顔合わせとなり、ポストシーズン（PS）の対決は史上２度目。アストロズは５年ぶり２度目、フィリーズは14年ぶり３度目の世界一を狙う。

　MLB専門チャンネル『MLB Network』は26日、「WSを制するチームは？」「シリーズは何試合続くのか？」「最も多くの本塁打を打つのは誰か？」」「WSの最優秀選手（MVP）は誰か？」など、WSの予想会を実施。各質問をMLB公式『MLB.com』の記者らが投票した。

　MLBファンが最も気になる、WS優勝チームはアストロズが 58票、フィリーズ が17票となり、アストロズの世界一を半数以上が予想した。今季のレギュラーシーズンでア・リーグ最多106勝を挙げたアストロズは、プレーオフのア・リーグ地区シリーズ（ALDS）でシアトル・マリナーズを、ア・リーグ優勝決定シリーズ（ALCS）ではニューヨーク・ヤンキースを一蹴し、7勝0敗と完璧な成績で勝ち上がってきた。アストロズがWSに進出するのは過去6年間で4度目だが、直近２回は2019年にワシントン・ナショナルズ、2021年にアトランタ・ブレーブスに敗れ、世界一目前で涙をのんでいる。投票者の大多数は、それが再び起こるとは考えにくいと感じているようだ。

　続いて、「シリーズは何試合続くのか？」については６試合が39票、５試合が23票、７試合が11票、４試合が２票。今年も接戦になることが予想された。事実、アストロズの過去３回のWSでは、いずれも６試合。２回は第７戦までもつれ込んでいる。回答者のうち、50人が今年のWSも６試合か７試合になると考えているようだ。最少の４試合に投票したパルダビラ記者は「フィリーズはいいチームだ。しかし、アストロズはポストシーズンで11勝0敗と、止められない力を持っている」と、アストロズの全勝を疑わなかった。

　一発で試合の流れが変わる「最も多くの本塁打を放つのは誰か？」については、ヨーダン・アルバレス（アストロズ）が22票、フィリーズのブライス・ハーパーとカイル・シュワーバーがともに16票、アレックス・ブレグマン（アストロズ）が９票。やはり、今季のナ・リーグ本塁打王（46本）のシュワーバーやア・リーグ２位のアルバレス（37本）などに票が集まる結果になった。

　なかでもブライアン・マクグラス記者は、去年のナ・リーグMVPハーパーに太鼓判を押した。「今回までのプレーオフで、私はハーパーから2009年のA-Rod（アレックス・ロドリゲス）のような大きな雰囲気を感じている。世代を超えた才能が10月後半になって、彼をトップレベルでプレーさせている。全ての打席が見逃せないイベントになっている」と絶賛した。

　確かにハーパーはサンディエゴ・パドレスとのナ・リーグ優勝決定シリーズ（NLCS）第５戦で１点ビハインドの８回裏に逆転２ランを放つなど、全５試合に出場。20打数８安打で打率.400、本塁打２、打点５、OPS1.250という素晴らしい活躍をし、NLCSのMVPに選出。チームのWS進出に大きく貢献した。
  　そして注目の「WSのMVPは誰か？」については、ブレグマンが20票、アルバレスが14票、ホゼ・アルトゥーベ（アストロズ）が８票、ハーパーとカイル・タッカー（アストロズ）が７票で並んだ。

　テキサス・レンジャーズのビートレポーターを務めるケネディ・ランドリー氏はブレグマンに一票。「ブレグマンは今回のPSでは、こっそりアストロズで最も安定した攻撃力を発揮してきたがALDSではアルバレス、ALCSではペーニャの影に隠れていた。彼がWSで大きなクラッチの瞬間を突破するのには最適な時間だ」と高く評価した。『MLB.com』編集長マシュー・リーチ氏は「アルバレスはALCSでかなり静かだったが、彼はより良いチームで最高のバッターであり、地球上で最も優れた打者の一人だ」と、ポストシーズン歴代２位の23本塁打を放っているアルバレスに注目票した。

　MLB専門メディアから、選りすぐりの有識者たちが予想した今回のWS。はたして、今年はどんな激闘が展開されるのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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