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プロ野球

打率1割の不振も経験した強打者はなぜ阪神のドラ1に? 森下翔太の“追い風”となる「岡田新監督」と「虎の事情」

THE DIGEST編集部

2022.11.02

大学日本代表にも名を連ねた強打者である森下。その強みと可能性を探る。(C)THE DIGEST

大学日本代表にも名を連ねた強打者である森下。その強みと可能性を探る。(C)THE DIGEST

 15年ぶりに岡田彰布監督の就任が決定した阪神。10月20日のドラフト会議は支配下と育成合わせて7人を指名し、そのうち4人が高校生と将来性を重視したものとなった。

 その顔触れのなかで、早々に1軍の戦力になるとして期待されているのが、1位の森下翔太(中央大)だ。今回は彼の高校と大学でのプレーぶりから阪神の救世主となる可能性と課題を探ってみたい。

――◆―――◆――

 森下の名が世間で初めて大きく報じられたのは、東海大相模に入学した2016年である。1年夏の神奈川大会の初戦でいきなり名門の4番を任せられると、その秋からは完全に中軸に定着。甲子園出場は2年春の1回だけだったが、3年生時には夏の神奈川大会5試合で5割を超える打率を残すなど関東でも屈指の強打者として評判となった。もし、高校3年生時にプロを志望したとしても森下は、支配下で指名されていた可能性は高かった。
 
 結局、彼はプロ志望届を提出することなく中央大へ進学。大学でも1年春からレギュラーに定着すると打率.304、2本塁打と活躍しいきなりベストナインを受賞。リーグ戦後に行なわれた日米大学野球では田中幹也(亜細亜大→中日6位)とともに1年生ながら大学日本代表にも選ばれている。ちなみにこの時の代表候補合宿で測定した野手のスイングスピードでは多くの上級生を抑えてトップの数字をマークしていた。

 順調なスタートを切った森下の大学生活。だが、すべてが順風満帆でドラフト1位候補になったわけではない。1年春から3年秋までのリーグ戦の成績を並べてみると以下のようになっている。

1年春:14試合 15安打 2本塁打 9打点 1盗塁 打率.306
1年秋:10試合 7安打 0本塁打 2打点 0盗塁 打率.241
2年春:新型コロナウイルス感染拡大の影響でリーグ戦中止
2年秋:8試合 5安打 1本塁打 3打点 0盗塁 打率.179
3年春:12試合 5安打 2本塁打 6打点 1盗塁 打率.128
3年秋:10試合 7安打 0本塁打 0打点 1盗塁 打率.219

 1年秋以降の4シーズンで打率1割台は2度もあり、最高でも.241と1年春の活躍が嘘のようにそのバットから快音が聞かれなくなったのだ。
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