史上初の"継投"ノーノーに、地元ヒューストンは狂喜乱舞だ。

　現地時間11月２日に行なわれたメジャー・リーグのワールドシリーズ（WS）第４戦、フィラデルフィア・フィリーズ対ヒューストン・アストロズは、アストロズが４投手による継投で、1956年以来となるWS史上２度目のノーヒットノーランを達成した。

　アストロズは25歳の右腕クリスチャン・ハビアーが先発。フィリーズ打線を6回まで無安打に抑える好投を見せ、その後はブライアン・アブレイユ、ラファエル・モンテロ、ライアン・プレスリーとつないで無安打・無失点。第３戦では５本のアーチを放った強力フィリーズ打線を沈黙させ、WS史上初の「継投ノーヒットノーラン」で第４戦を制した。

　アストロズの選手らも興奮を隠せない。快挙の立役者となったハビアーが「僕の両親は私がノーヒットノーランを達成すると言っていた。神のおかげで、達成することができたよ」と語れば、バッテリーを組んだクリスチャン・バスケス捕手は「今まで見た中で、最高の速球だったよ」とハビアーのピッチングを絶賛した。

　主軸のアレックス・ブレグマンは「僕たちはWSを見て育った。野球には長い歴史があるをよく知っている。だから、ハビアーやみんなが偉業をなし遂げたチームの一員になれたこと、チームメイトになれたことは、本当に特別なこと。僕ら全員が一生大事にするだろう瞬間だね」と、完璧な快投を見せた投手陣に賛辞を贈った。昨シーズンのア・リーグ首位打者で、2014年には横浜DeNAベイスターズでも活躍したユリ・グリエルは「魔法の瞬間。このままゴールを目ざそう」とツイッターを更新し、チームを鼓舞した。
  　ヒューストンの熱狂も止まらない。地元テレビ局『FOX 26 Houston』のリポーター、マシュー・シードルフ氏は「歴史的だ！ アストロズが勝利！ オレンジとネイビーのファンが今夜、フィラデルフィアで祝っています」とヒューストンが熱狂する様子をツイッターに動画で投稿。また、アストロズのフィールドレポーターを務めるジュリア・モラレス氏も「アストロズファンは、歴史を目撃するためにここにいる」と試合後も興奮が冷めず、アストロズの選手らに声援を送り続けるファンをツイッターの動画で紹介し、勝利の余韻を伝えている。

　これで通算成績は２勝２敗のタイ。アストロズはWS初戦で5失点を喫した39歳のジャスティン・バーランダーが第５戦に先発予定だ。前回の雪辱に燃える大ベテランは、ここまでWS通算８試合のマウンドに上がり、０勝６敗と勝ち星なし。WSはまさに"鬼門"となっている。

　現地時間3日、メジャー通算244勝を挙げ、２度のサイ・ヤング賞に輝いたベテランに、チームは世界一の王手を託す。

構成●THE DIGEST編集部

【関連記事】アストロズが"史上初"の継投ノーヒッターを達成！ フィリーズは本拠地で初の敗戦に【MLBワールドシリーズ】

【関連記事】「足を上げる癖を見抜かれていた？」――フィリーズ打線が５本のアーチに米記者が指摘も、本人は全面否定！

【関連記事】至高のワールドシリーズで見せた名ジャッジ！ 全129球で"誤審なし"のMLB審判に賛辞相次ぐ「畏敬の念を抱きたくなる」