22勝9敗、勝率.710。ワールドシリーズ第3戦を終えた時点で、フィリーズの本拠地シチズンズバンク・パークでのプレーオフ通算勝率は20戦以上開催された全球場で最高の数字だったという。
MLBで最も重要な季節である秋にこの球場に身を置いたことがある人なら、こんな記録もすぐに納得するのではないか。タオルがちぎれんばかりに振り回され、歓声と罵声が交錯する。フィリーズの選手たちには熱狂的なコールが注がれ、相手チームには強烈なブーイングが浴びせられる。もちろん、この時期はどの球場も騒がしいものだが、フィリーズファンのボリュームと迫力は飛び抜けている。10、11月のシチズンズバンク・パークは唯一無二の場所だと言っていい。
「シーズン終盤から快進撃を見せた2007年のロッキーズのプレーオフ、ホゼ・バティスタがバット投げホームランを打った15年秋のブルージェイズ戦の歓声も本当にすごかった。ただ、昨日(第3戦)以上に騒がしいスタジアムはこれまでに経験したことがなかった」
ESPNラジオでワールドシリーズ実況を担当するダン・シュルマンが『Baseball Today』のポッドキャストで語っていたように、ほとんど"魔境"と呼んでもいいシチズンズバンク・パークの狂気は今年も健在のようだ。というより、これまでよりさらにヒートアップしている印象すらある。
1日に行われた第3戦、フィリーズは初回のブライス・ハーパーの先制弾を皮切りに5本の本塁打を放ち、7対0で快勝。アストロズの先発ランス・マッカラーズJr.が、何かに魅入られたかのように甘い球を投じてしまう姿が印象的だった。この時点で、フィリーズは今プレーオフはホームで6戦全勝。その快進撃に、ファンの熱気が何らかの形で貢献していると考えるのはまったくのこじつけではないだろう。
フィラデルフィアは全米5番目の大都市だが、ニューヨークやロサンゼルスとは一線を画す、いわゆる"エッジが効いた街"。このの"エッジ"を日本語でどう訳すかは難しいところだが、簡単に言ってしまえば極めてガラが悪いのだ。
街を歩いていても、球場の中でも、フィラデルフィアで出くわす人には一種に異様な迫力がある。特に深夜のダウンタウンなどは、アメリカで20年以上を生きてきた私でも歩くのが怖い場所。中でも治安が悪くなりがちな地下鉄駅に行くと、まるで自分がハリウッド映画に出てくるような、近未来の荒廃した地球にいるような気分になる。
マリファナの煙と匂いが漂う地下鉄駅で怖い思いをしたことは一度や二度ではない。第4戦取材の帰り道でも、メイン通りのはずのシティホールの駅構内ですぐ後ろに立っていた男が突然、2人組の警察に押さえつけられ、肝を冷やした。正直、家族での観光などには適さないが、一方で底知れないエナジーを感じる街ではある。
MLBで最も重要な季節である秋にこの球場に身を置いたことがある人なら、こんな記録もすぐに納得するのではないか。タオルがちぎれんばかりに振り回され、歓声と罵声が交錯する。フィリーズの選手たちには熱狂的なコールが注がれ、相手チームには強烈なブーイングが浴びせられる。もちろん、この時期はどの球場も騒がしいものだが、フィリーズファンのボリュームと迫力は飛び抜けている。10、11月のシチズンズバンク・パークは唯一無二の場所だと言っていい。
「シーズン終盤から快進撃を見せた2007年のロッキーズのプレーオフ、ホゼ・バティスタがバット投げホームランを打った15年秋のブルージェイズ戦の歓声も本当にすごかった。ただ、昨日(第3戦)以上に騒がしいスタジアムはこれまでに経験したことがなかった」
ESPNラジオでワールドシリーズ実況を担当するダン・シュルマンが『Baseball Today』のポッドキャストで語っていたように、ほとんど"魔境"と呼んでもいいシチズンズバンク・パークの狂気は今年も健在のようだ。というより、これまでよりさらにヒートアップしている印象すらある。
1日に行われた第3戦、フィリーズは初回のブライス・ハーパーの先制弾を皮切りに5本の本塁打を放ち、7対0で快勝。アストロズの先発ランス・マッカラーズJr.が、何かに魅入られたかのように甘い球を投じてしまう姿が印象的だった。この時点で、フィリーズは今プレーオフはホームで6戦全勝。その快進撃に、ファンの熱気が何らかの形で貢献していると考えるのはまったくのこじつけではないだろう。
フィラデルフィアは全米5番目の大都市だが、ニューヨークやロサンゼルスとは一線を画す、いわゆる"エッジが効いた街"。このの"エッジ"を日本語でどう訳すかは難しいところだが、簡単に言ってしまえば極めてガラが悪いのだ。
街を歩いていても、球場の中でも、フィラデルフィアで出くわす人には一種に異様な迫力がある。特に深夜のダウンタウンなどは、アメリカで20年以上を生きてきた私でも歩くのが怖い場所。中でも治安が悪くなりがちな地下鉄駅に行くと、まるで自分がハリウッド映画に出てくるような、近未来の荒廃した地球にいるような気分になる。
マリファナの煙と匂いが漂う地下鉄駅で怖い思いをしたことは一度や二度ではない。第4戦取材の帰り道でも、メイン通りのはずのシティホールの駅構内ですぐ後ろに立っていた男が突然、2人組の警察に押さえつけられ、肝を冷やした。正直、家族での観光などには適さないが、一方で底知れないエナジーを感じる街ではある。