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吉田正尚がMLBで成功する秘訣は? 米メディアが説いた“小さな大打者”の可能性「日本の選手は過大評価されがち」

THE DIGEST編集部

2022.11.04

オリックスを日本一に導いた吉田。その圧巻の打棒は早くも“野球の本場”でも注目を集めている。(C)THE DIGEST

 日本球界屈指のスラッガーに熱視線が注がれている。オリックスの主砲・吉田正尚だ。今季終了後にポスティングシステムを利用したメジャー移籍の可能性を探ると複数メディアで一斉に報じられたからだ。

 2018年から不動のレギュラーとなって以来、NPBでも指折りの強打者として名を馳せてきた。現在29歳という年齢を考えても吉田はキャリアの最盛期にある。それは今季に打率.335、OPS1.008、得点圏打率.367と軒並みハイアベレージを記録したところもからも窺い知れる。

 173センチという小柄さを感じさせないパワーを発揮して東洋の島国で声価を高めてきた"小さき大打者"は、「野球大国」アメリカでも話題となっている。マサチューセッツに拠点を置く日刊紙『Eagle Tribune』は「日本は野球で傑出した選手たちを幾人もメジャーに送り込んできた国だ」としたうえでポスティングの可能性が高まっている吉田について、「もしも彼が市場に出れば、最も興味深い存在になるだろう」と説いた。

 吉田について「最も関心を引くのは驚異的な三振数の少なさだ」とした同紙は、過去3シーズン中2シーズンの460打席以上で30を下回った三振率の低さをクローズアップ。そして、日本球界にも造詣が深いトレバー・ライチュラ記者の見解を紹介した。

「ヨシダのような選手は滅多にいない。実際に移籍が決まった時に、彼がメジャーの哲学に自分のスタイルを合わせるかは分からない。それはコーチ陣だけじゃなく、彼自身が何を感じるかによると思う。だが、間違いないのはヨシダが頼れるバッターだと言うことだ」
 
 もっとも、近年のメジャーでは筒香嘉智や秋山翔吾(現広島)など、日本人打者たちが苦戦を余儀なくされている傾向はある。ゆえに同紙も「日本で優れた結果を出してきた選手が太平洋を横断してきたときに、過大評価されがちだ。イチローやオオタニのように期待に応えられる選手は決して多くはない」と分析。そのうえで吉田が活躍するためのキーポイントを指摘した。

「彼が良いのは速球を得意としているところだ。MLBは日本よりも速球のアベレージは優れているが、若く、才能のある彼なら適応に必要なための調整ができるはずだ。ゆえに何よりも活躍の鍵となるのはヨシダが適切な状況に身を置くかどうかである。スキルが常に反映されるとは限らない。フィールド外での調整ももちろん影響する。そのなかで日々の生活をどれだけ快適に過ごせるかは大きな違いになる」

 はたして、吉田はメジャーで成功を掴めるのか。まずはポスティングの行方に注目したいところだ。

構成●THE DIGEST編集部

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