高まる期待に応えるように、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、鮮烈な輝きを世界最高峰の舞台で放った。
あらためてデータを見ても、偉才ぶりは明らかだ。
打っては打率.273、34本塁打、95打点、OPS.875を記録。マイク・トラウトとアンソニー・レンドーンと主軸打者が故障離脱を強いられたなかでハイアベレージを残してチームを支えた。さらに投げては28試合に登板してメジャーキャリア初の2桁勝利(15勝)をマークし、防御率2.33、219奪三振と昨季以上のハイスタッツを残した。
文字通り一挙手一投足に注目が集まった。そのなかで大谷は史上初の「シーズン30本塁打&2桁勝利」「投打ダブル規定到達」を成し遂げ、球史に名を刻んだ。投打のレベルは「オオタニ旋風」を巻き起こした昨季よりもグレードアップしたと言っても過言ではないはずだ。
一方でエンジェルスは大いに苦しんだ。6月には球団ワーストの14連敗を記録するなど、投打でかみ合わずに低迷。最終的にアメリカン・リーグ西地区では、首位ヒューストン・アストロズの後塵を拝し、33ゲーム差をつけられた。
レギュラーシーズン後に大谷が「なかなか思うようなゲームが多くできていた訳ではない」と語ったように、エンジェルスにとっては屈辱的な1年だった。そんな2022年シーズンを振り返り、米メディアでは皮肉も聞こえてくる。
ニュースポータルサイトの『Original Newsbreak』に寄稿したデビッド・ブランバーク記者は「オオタニとMVPを3度も受賞しているマイク・トラウトの両名が同じロースターにいることさえ、彼らにとっては十分ではない。エンジェルスは有能なチームを構築するプロセスのすべての段階で、組織的に失敗している。オオタニが野球界に魅力を取り戻したにもかかわらずだ」と糾弾した。
もっとも、同記者は大谷については「MLB史上かつてない偉業を成し遂げている」と絶賛。2年連続でリーグMVPのファイナリストにノミネートされる快進撃について、こう論じている。
「オオタニはエリートなパワーヒッターであるだけでなく、リーグ最高の投手の一人でもある。そして彼がすでに成し遂げたこと、さらにこれから成し遂げるかもしれないことは、あまりにも壮大すぎて、理解しがたいものがある」
28歳サムライが見せた異次元の活躍に脱帽したブランバーク記者は、続けざまに「2人の野球界屈指のタレントを有しているのに負け続ける現状はまさに悲劇だ」と指摘。そして来オフに契約満了を迎える大谷の去就については、悲観的な見方を呈した。
「現状の球団の体質が変わらない限り、オオタニが2024年までに他のチームに移籍することはほぼ確実だ。地球上で最も特異な才能を持つ野球選手である彼ならラブコールは鳴りやまないはずだ。
私はこれからもオオタニを見続け、彼の輝きに驚嘆するだろう。しかし、彼がプレーオフに出るのはおそらくエンジェルスではない。それはいささかの寂しさを抱かせるものであり、エンジェルスにとっては大きな失望となる」
球界で歴史を作り続けている大谷。その活躍がチームタイトルに結びつく日は訪れるのだろうか。
構成●THE DIGEST編集部
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あらためてデータを見ても、偉才ぶりは明らかだ。
打っては打率.273、34本塁打、95打点、OPS.875を記録。マイク・トラウトとアンソニー・レンドーンと主軸打者が故障離脱を強いられたなかでハイアベレージを残してチームを支えた。さらに投げては28試合に登板してメジャーキャリア初の2桁勝利(15勝)をマークし、防御率2.33、219奪三振と昨季以上のハイスタッツを残した。
文字通り一挙手一投足に注目が集まった。そのなかで大谷は史上初の「シーズン30本塁打&2桁勝利」「投打ダブル規定到達」を成し遂げ、球史に名を刻んだ。投打のレベルは「オオタニ旋風」を巻き起こした昨季よりもグレードアップしたと言っても過言ではないはずだ。
一方でエンジェルスは大いに苦しんだ。6月には球団ワーストの14連敗を記録するなど、投打でかみ合わずに低迷。最終的にアメリカン・リーグ西地区では、首位ヒューストン・アストロズの後塵を拝し、33ゲーム差をつけられた。
レギュラーシーズン後に大谷が「なかなか思うようなゲームが多くできていた訳ではない」と語ったように、エンジェルスにとっては屈辱的な1年だった。そんな2022年シーズンを振り返り、米メディアでは皮肉も聞こえてくる。
ニュースポータルサイトの『Original Newsbreak』に寄稿したデビッド・ブランバーク記者は「オオタニとMVPを3度も受賞しているマイク・トラウトの両名が同じロースターにいることさえ、彼らにとっては十分ではない。エンジェルスは有能なチームを構築するプロセスのすべての段階で、組織的に失敗している。オオタニが野球界に魅力を取り戻したにもかかわらずだ」と糾弾した。
もっとも、同記者は大谷については「MLB史上かつてない偉業を成し遂げている」と絶賛。2年連続でリーグMVPのファイナリストにノミネートされる快進撃について、こう論じている。
「オオタニはエリートなパワーヒッターであるだけでなく、リーグ最高の投手の一人でもある。そして彼がすでに成し遂げたこと、さらにこれから成し遂げるかもしれないことは、あまりにも壮大すぎて、理解しがたいものがある」
28歳サムライが見せた異次元の活躍に脱帽したブランバーク記者は、続けざまに「2人の野球界屈指のタレントを有しているのに負け続ける現状はまさに悲劇だ」と指摘。そして来オフに契約満了を迎える大谷の去就については、悲観的な見方を呈した。
「現状の球団の体質が変わらない限り、オオタニが2024年までに他のチームに移籍することはほぼ確実だ。地球上で最も特異な才能を持つ野球選手である彼ならラブコールは鳴りやまないはずだ。
私はこれからもオオタニを見続け、彼の輝きに驚嘆するだろう。しかし、彼がプレーオフに出るのはおそらくエンジェルスではない。それはいささかの寂しさを抱かせるものであり、エンジェルスにとっては大きな失望となる」
球界で歴史を作り続けている大谷。その活躍がチームタイトルに結びつく日は訪れるのだろうか。
構成●THE DIGEST編集部
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