プロ野球

三冠王の村上がベストナイン満票受賞ならず、新人王投票では大勢ではなく平内に1票…【ここがヘンだよ2022プロ野球アウォード投票】<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2022.11.26

MVPは村上(右)が満票で受賞したのに、三塁のベストナインではなぜか宮﨑(左)に1票。一体なぜこんなことが起こるのか。写真:THE DIGEST写真部

 11月25日に『NPB AWARDS 2022』の発表が行なわれ、2022年の表彰選手がすべて出揃った。MVPにはともに2年連続で村上宗隆(ヤクルト)と山本由伸(オリックス)が順当に選ばれたが、その一方で、首をかしげるような投票もいくつかあった。ベストナイン、MVP、新人王の各アウォード投票にまつわる疑問点を改めてまとめてみよう。

▼なぜ村上はベストナイン満票ではなかったのか?
 出場した全141試合すべてで三塁を守り、シーズン56本塁打&史上最年少三冠王という、まさに圧巻の活躍を見せた村上。MVPには満票で選出されたが、なぜかベストナインではそうはならなかった。

 セ・リーグ三塁手部門は、村上には全299票中298票"しか"入らなかった。残りの1票を得たのは宮﨑敏郎(DeNA)。確かに3年連続の打率3割達成は立派だが、もちろんその打率も村上よりは下。それどころか、下記の通り打撃だけでなく走塁や守備も含めほぼすべての成績で村上の後塵を拝している中、宮﨑に投票した理由は一体何だったのだろう。

打率  村上.318(1位)/宮﨑.300(4位)
出塁率 村上.458(1位)/宮﨑.365(4位)
長打率 村上.710(1位)/宮﨑.470(5位)
OPS  村上1.168(1位)/宮﨑.835(5位)
本塁打 村上56本(1位)/宮﨑16本(15位)
打点  村上134(1位)/宮﨑50(19位)
盗塁  村上12盗塁(8位)/宮﨑0盗塁(-)
UZR  村上4.8(1位)/宮﨑-10.0(4位)
WAR   村上10.3(1位)/宮﨑1.6(39位)

※()内はリーグ順位。UZRはDELTA提供
 
▼髙橋宏斗への"不当な"低評価

 セ・リーグ新人王はかねてよりの下馬評通り、新人史上4人目の30セーブをクリアした大勢(巨人)が、299票中209票を得て受賞。対抗馬として名前が挙がっていた最優秀中継ぎ投手の湯浅京己(阪神)は、74票で惜しくも2位に終わった。

 ここまでは順当な結果と言えなくもない。だが、髙橋宏斗(中日)がたった6票で4位に終わったのは、やや納得いかないところだ。6勝7敗と負け越したとはいえ、大勢や湯浅の倍以上となる116.2イニングを投げて、防御率は2.47。奪三振率は100イニング以上の投手ではリーグで唯一10を超えていた。これも、投手本来の実力とは無関係の「勝敗」に引きずられてしまった結果なのだろうか。

 それ以上におかしかったのが、同じ巨人でも大勢ではなく平内龍太に1票が入っていたことだ。確かに平内も勝ちパターンを担って53試合に登板したが、防御率4.32と成績は平凡。大勢はもちろん、同じセットアッパーの湯浅を差し置いて投票する対象とはとても思えない。まさか取り違えて投票したわけではないだろうが......。
NEXT
PAGE
何を根拠に清宮に票を投じたのか