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MLB

大型契約獲得のジャッジはもちろん勝ち組! 「払い過ぎ」の声も寄せられた吉田正尚とレッドソックスの評価は?【ストーブリーグの勝ち組&負け組】<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2022.12.21

FA史上最大の契約を結んだジャッジ(左)は文句なしの勝ち組。吉田(中央)も勝ち組の一方で、レッドソックスのブルームCBO(右)は迷走が続く。(C)Getty Images

FA史上最大の契約を結んだジャッジ(左)は文句なしの勝ち組。吉田(中央)も勝ち組の一方で、レッドソックスのブルームCBO(右)は迷走が続く。(C)Getty Images

 メジャーの今オフにおける“遊撃手ビッグ4”の一角で、最後までFA(フリーエージェント)市場に残っていたダンズビー・スワンソンのカブス入りが決定。大物FAの大半が入団先を決めたこのタイミングで、今ストーブリーグの「勝ち組」と「負け組」を独断と偏見で紹介しよう。

【勝ち組】
▼アーロン・ジャッジ(ヤンキース)
 開幕直前にヤンキースからの7年2億1350万ドルの延長契約オファーを固辞。リスクを承知でFAイヤーに臨んだジャッジの“賭け”は見事に当たった。

 ア・リーグ史上最多となる62本塁打を放ち、大谷翔平(エンジェルス)に大差をつけてMVPを受賞。FA市場では故郷に近いジャイアンツとヤンキースが球界最強の大砲をめぐって激しい争奪戦を繰り広げたが、最終的にはFA史上最高額となる9年3億6000万ドルでヤンキース残留を選択。たった半年余りで1億4000万ドル、日本円にして200億円近くも自らの価値を上げてみせたジャッジが今オフ最大の「勝ち組」で決まりだろう。

▼メッツ
 球界でもダントツの大富豪スティーブ・コーエン・オーナーの強大な資金力がFA市場を席巻した。ジャスティン・バーランダー、千賀滉大をはじめ、デビッド・ロバートソン、ホゼ・キンターナらを次々と補強。さらに、クローザーのエドウィン・ディアズ、1番打者のブランドン・ニモの引き留めにも成功した。今オフに投じた金額は5億ドル近くに達し、来季の総年俸は史上初の3億ドルを超える見込みだ。

 ただ、決して見境なく大枚をはたいているわけではない。バーランダー、キンターナとの契約は2年と短く、千賀も年平均1500万ドルは現在の相場としてはそこまで高くない。大きなリスク要因はニモの8年契約くらいで、ぬかりなく補強ポイントを埋めている点も高評価の理由だ。
 
▼吉田正尚(レッドソックス)
 まさに電撃契約だった。吉田のポスティングがMLBから公示されたのが現地12月6日。交渉期限は1月20日までだったが、「レッドソックスと5年9000万ドルで契約合意」との報道が出たのは翌7日だった。

 辣腕で知られる代理人スコット・ボラスがこれほど早く契約を決めさせたのは、この条件が上限だと判断したから。事実、他球団からのオファーを待たずに決断としたと言われている。業界内からは「払い過ぎ」との声も多く出ていて、レッドソックスの判断が吉と出るか凶と出るかは分からないが、少なくとも吉田が得をしたことは間違いない。

【負け組】
▼レッドソックス
 最下位脱出を目指して積極補強に乗り出すはずが、ホゼ・アブレイユやザック・エフリンにフラれ、「再契約が必須案件」としていたシルバースラッガー4度の5度の正遊撃手ザンダー・ボガーツもパドレスにさらわれてしまった。その後、ダンズビー・スワンソン争奪戦参加もあえなく敗退。吉田正尚に与えた5年9000万ドルは「払いすぎ」と批判されるなど、ほとんどいいところがない。

 最大の問題は、市場の動向の変化に対応できていないことだろう。ボガーツに関しては「全力で引き留める」と言っていたにもかかわらず、最終オファーは6年1億6000万ドルでパドレスの提示額を1億ドル以上も下回り、地元メディアから「驚くほどの読み違い」と揶揄される始末だった。ハイム・ブルームCBOやオーナーへの批判も高まる一方で、このままだと吉田に無用なプレッシャーが集まることになりかねない。
 

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