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地味でも着実に戦力強化に成功。デュルーリーら獲得で野手陣の層が厚くなったエンジェルスへの期待<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2022.12.22

左からデュルーリー、アーシェラ、レンフロー。この3人の加入で、エンジェルス野手陣の層は間違いなく厚くなった。(C)Getty Images

 ド派手な超大型契約が続々成立するなか、大谷翔平擁するエンジェルスの今オフの動きはいかにも地味に映るかもしれない。だが、着実に戦力を向上させることに成功している。

 特に注目に値するのが野手陣のグレードアップだ。ペリー・ミナシアンGMはこのオフ、以下の3人の主力級選手を獲得した。

▼ハンター・レンフロー
・ポジション:RF
・2022成績:打率.255 29本塁打 OPS.807

▼ジオ・アーシェラ
・ポジション:3B/SS
・2022成績:打率.285 13本塁打 OPS.767

▼ブランドン・デュルーリー
・ポジション:3B/1B/2B
・2022成績:打率.263 28本塁打 OPS.813

 3人とも、お世辞にもスター選手とは言えない。だが、チームの層を厚くするという点では間違いないなくプラスになる。そして、この「層を厚くすること」こそ、今オフのエンジェルスの重要課題だった。

 ここで、今季のエンジェルスのポジション別OPSを見てみよう。

※( )内はリーグ順位
捕手:.576(13位)
一塁:.615(15位)
二塁:.619(12位)
三塁:.675(9位)
遊撃:.602(15位)
左翼:.598(14位)
中堅:.879(1位)
右翼:.773(3位)
DH:.851(1位)
 
 マイク・トラウトのセンター、大谷のDH、そしてテイラー・ウォードのライト以外は軒並み平均以下の攻撃力。捕手・一塁・二塁・遊撃・レフトにいたっては、リーグ最底辺という惨状だった。これはとりもなおさず層の薄さが原因で、レンフロー、アーシェラ、デュルーリーの3人はまさにこの問題を解決するために獲得したと言っても過言ではない。

 まず、レンフローがライトに入り、ウォードがレフトに回ることで、外野は攻守両面で底上げが期待できる。アーシェラは遊撃で使ってもいいし、アンソニー・レンドーンが再び故障で離脱した場合は三塁に入れてもいい。そしてデュルーリーは、左投手に弱いジャレッド・ウォルシュのツープラトン要員としてはもちろん、二塁や三塁もこなせるのでスーパーユーティリティとして重宝されるだろう。

 これに、今季17本塁打とプチブレイクしたルイス・レンヒーフォ、2020年に打率.319を記録した巧打のデビッド・フレッチャーも加えると、内野陣は多種多彩な起用法が可能になる。

一塁:ウォルシュ/デュルーリー
二塁:レンヒーフォ/フレッチャー/デュルーリー
三塁:レンドーン/アーシェラ/デュルーリー
遊撃:アーシェラ/フレッチャー/レンヒーフォ

 これなら、故障者が出てもある程度は耐えられる。少なくとも、「"トラウタニ"+ウォードとそれ以外」状態だった今季の二の舞は避けられるだろう。

 王者アストロズ、躍進中のマリナーズ、そしてジェイコブ・デグロムを獲得したレンジャーズと、地区内には手強いライバルも多く、今後もさらなる戦力底上げが求められるところではある。ただ少なくとも、このオフのエンジェルスが「正しい方向」に進んでいることは間違いないだろう。

構成●SLUGGER編集部

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