プロ野球

ライオンズのルーキー3人が入寮。ドラ1蛭間はぐんまちゃん、ドラ4青山はあの大先輩のグラブとともにプロの世界へ!<SLUGGER>

岩国誠

2023.01.07

蛭間は早稲田大で通算10本塁打を放ったスラッガー。ライオンズジュニアの出身という獅子の申し子だ。写真:岩国誠

 2023年、松井稼頭央新監督の下で新たな一歩を踏み出す埼玉西武ライオンズ。その一期生とも言えるのが、昨年10月のドラフトで指名された10選手だ。チームの仕事始め翌日の6日、そのうち3人がベルーナドームに隣接する若獅子寮に入寮した。

 まずトップバッターは、東京六大学屈指のスラッガーとして鳴らしたドラフト1位の蛭間拓哉(早稲田大)。ライオンズを意識した青いネクタイを締め、大きめの荷物を抱えながら、寮の自動ドアに吸い込まれて行った。

「本当にワクワクする気持ちでいっぱいです。すごく綺麗ですし、野球をやるには最高の環境だと思います」

 晴天の下で行われた記者会見でそう答え、笑顔を見せたドラ1ルーキーが持参した大きな荷物はマットレス。加えて、オーダーメイドの枕だ。

「(枕は)自分は固めで高い方がいいので、そうしました。これを使ってから寝違えるとかなくなったので、ずっと使っています。高校の時にはあまり眠れなかったのですが、睡眠を意識するようになってから、身体が大きくなって身長も少し伸びました。自分は寝ることが好きなのですが(このセットは)最強です!」

 他にも、大学で指導を受けた徳武定祐コーチが言葉を綴った色紙や、故郷・群馬県のマスコット「ぐんまちゃん」のぬいぐるみを披露。浦和学院高時代の同級生で、チームメイトになる渡邉勇太朗投手から「(入寮時に)あまり荷物を持ってこないように」とアドバイスを受けていたというが、「自分は心配性なので、いろいろ持ってきてしまいました」と、少し照れ臭そうに語った。
 
 前日には早稲田大の練習場で汗を流し、小宮山悟監督からもエールを贈られて「背筋が伸びます」と気を引き締めていた蛭間。「怪我をしてはダメなので、無理せずしっかりとやっていきたい」と、9日から始まる新人合同自主トレへ向け、心身ともに準備を整えていた。

 続いてやってきたのはドラフト4位の青山美夏人投手(亜細亜大)。入寮までは体重管理などを意識しながら身体を動かしてきたという右腕は、母校の亜細亜大OBが作成したタオルと、筆記体の「y」が印象的なグローブを小脇に抱えて報道陣の前に登場した。

「(グローブは)1年生の時、亜細亜大学の先輩である山崎康晃(DeNA)さんから、監督さんを通じていただいたものです。最初は『使っていいのか』って思いましたが、力を借りて、リーグ戦でも良い結果が出ました。大学時代は本当にこのグローブで頑張ってきました」

 以前、種市篤暉(ロッテ)を取材した際、憧れの千賀滉大(メッツ)と自主トレをした時にもらったグローブを実際に使ってみたものの、投球時の身体のバランスに影響が出てしまったので、使うことを諦めたという話を聞いた。重さや形状がその原因だったと話していた記憶がある。

 青山の場合はそうならず、NPBで実績を結果を残した大先輩のグローブで投げ続けることが、プロ野球への道を開いた。言わばラッキーアイテムとなった山﨑のグローブ。4年の春から実戦では使っていないということだが、今後はお守りとして寮の部屋に飾り、類似のモデルを使うつもりだ。
 
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