メジャーリーグ(MLB)のオークランド・アスレティックスは現地13日、ポスティングシステムで阪神タイガースの藤浪晋太郎と1年契約で合意したと発表した。年俸は325万ドル(約4億2000万円)で、昨シーズンの推定年俸4900万円から約10倍もアップする契約となった。
猛虎の剛腕が、ついに海を渡る――。阪神で通算10シーズンを過ごし、57勝を挙げた右腕に米球界関係者は連日注目を注いでいる。米紙『Daily Bruin』のベンジャミン・ロイエ記者はアスレティックス新加入が決まった28歳に対し、「私はフジナミを非常に高く評価している。速球はいいが、制球力が問題にならないように、彼は相手をだませるような投球をしてほしい。彼のピッチングを見るために、アスレティックスの試合をかなり見ることになりそうだ」とツイッターに綴り、大きな期待を寄せている。
米野球専門サイト『FanGraphs』も28歳の日本人右腕に熱視線を送る。同サイトによると「18歳のシンタロウ・フジナミが2012年NPBドラフト会議で阪神タイガースに1巡目で指名されたとき、多くの米球界の見識者は同じく1巡目で指名されたショウヘイ・オオタニより上だと考えていた。彼は高校時代には、夏の甲子園で連日の完封勝利でチームを優勝に導いている」と高校当時の潜在能力は、現在ロサンゼルス・エンジェルスで異彩を放ち続ける大谷より高い評価だったという。
同サイトは続けて「タイガースでは、ルーキーイヤーに24試合に登板して10勝6敗、防御率2.75という素晴らしい成績を残し、2014年から16年にかけても防御率3.02、WAR16.2と、毎年WARで上位7位以内に入る優秀な投手」と評す。
しかし、その後はコントロール難による無駄な四球に苦しんだ時期を指摘すると、「ブルペンや2軍で伸び悩んだ後、奪三振と四球の成績が顕著に向上し、今シーズン最後の2カ月は優れた数値を記録した。66.2イニングで防御率3.38となったが、以前よりストライクゾーンに投げる球数が増えたわけではないが、キャリアハイの追球率からも分かるように、無駄な球を投げる回数を大幅に減らした」と改善点を強調する。
加えて、「フジナミはコントロールに波があり、しばしば悲惨な成績につながるが、速球は非常に優れている。平均96.3マイル、時には三桁に達することもあった。NPB先発投手でこれ以上の投球をしたのは、同じMLBルーキー、コウダイ・センガ(96.5マイル)と21歳の逸材、ロウキ・ササキ(98.9マイル)だけだ」と160キロ以上を投じる速球に注目している。
その上で、藤浪の速球は一般的なフォーシームよりもはるかに横の切れが良く、一般的なシンカーよりも縦の運びに優れたハイブリッドな形状をしていると評し、メジャーの大物投手になれる可能性もあると記している。
「MLBではフジナミのような動きとリリースポイントを持つ速球投手はほとんどおらず、ネイサン・イオバルディ(テキサス・レンジャーズ)やアーロン・ノラ(フィラデルフィア・フィリーズ)のような剛腕投手になれるかもしれない。MLBの基準では完全にプラス評価だ」
同サイトは、チームでは藤浪の制球力次第によるとした上で、先発とリリーフのどちらかで起用されるだろうと見ている。「フジナミは、その役割に関係なく制球が許す限り、大きな力を発揮することができ、アメリカでのデビュー戦を乗り越えるチャンスがある」と期待を込めて記事を締めている。
はたして猛虎の剛腕はA'sの救世主となれるのか。藤浪は現地17日に、オークランドの球団事務所で入団記者会見を行なう。
構成●THE DIGEST編集部
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猛虎の剛腕が、ついに海を渡る――。阪神で通算10シーズンを過ごし、57勝を挙げた右腕に米球界関係者は連日注目を注いでいる。米紙『Daily Bruin』のベンジャミン・ロイエ記者はアスレティックス新加入が決まった28歳に対し、「私はフジナミを非常に高く評価している。速球はいいが、制球力が問題にならないように、彼は相手をだませるような投球をしてほしい。彼のピッチングを見るために、アスレティックスの試合をかなり見ることになりそうだ」とツイッターに綴り、大きな期待を寄せている。
米野球専門サイト『FanGraphs』も28歳の日本人右腕に熱視線を送る。同サイトによると「18歳のシンタロウ・フジナミが2012年NPBドラフト会議で阪神タイガースに1巡目で指名されたとき、多くの米球界の見識者は同じく1巡目で指名されたショウヘイ・オオタニより上だと考えていた。彼は高校時代には、夏の甲子園で連日の完封勝利でチームを優勝に導いている」と高校当時の潜在能力は、現在ロサンゼルス・エンジェルスで異彩を放ち続ける大谷より高い評価だったという。
同サイトは続けて「タイガースでは、ルーキーイヤーに24試合に登板して10勝6敗、防御率2.75という素晴らしい成績を残し、2014年から16年にかけても防御率3.02、WAR16.2と、毎年WARで上位7位以内に入る優秀な投手」と評す。
しかし、その後はコントロール難による無駄な四球に苦しんだ時期を指摘すると、「ブルペンや2軍で伸び悩んだ後、奪三振と四球の成績が顕著に向上し、今シーズン最後の2カ月は優れた数値を記録した。66.2イニングで防御率3.38となったが、以前よりストライクゾーンに投げる球数が増えたわけではないが、キャリアハイの追球率からも分かるように、無駄な球を投げる回数を大幅に減らした」と改善点を強調する。
加えて、「フジナミはコントロールに波があり、しばしば悲惨な成績につながるが、速球は非常に優れている。平均96.3マイル、時には三桁に達することもあった。NPB先発投手でこれ以上の投球をしたのは、同じMLBルーキー、コウダイ・センガ(96.5マイル)と21歳の逸材、ロウキ・ササキ(98.9マイル)だけだ」と160キロ以上を投じる速球に注目している。
その上で、藤浪の速球は一般的なフォーシームよりもはるかに横の切れが良く、一般的なシンカーよりも縦の運びに優れたハイブリッドな形状をしていると評し、メジャーの大物投手になれる可能性もあると記している。
「MLBではフジナミのような動きとリリースポイントを持つ速球投手はほとんどおらず、ネイサン・イオバルディ(テキサス・レンジャーズ)やアーロン・ノラ(フィラデルフィア・フィリーズ)のような剛腕投手になれるかもしれない。MLBの基準では完全にプラス評価だ」
同サイトは、チームでは藤浪の制球力次第によるとした上で、先発とリリーフのどちらかで起用されるだろうと見ている。「フジナミは、その役割に関係なく制球が許す限り、大きな力を発揮することができ、アメリカでのデビュー戦を乗り越えるチャンスがある」と期待を込めて記事を締めている。
はたして猛虎の剛腕はA'sの救世主となれるのか。藤浪は現地17日に、オークランドの球団事務所で入団記者会見を行なう。
構成●THE DIGEST編集部
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