MLB

「僕に特別な長所はない」栗山ジャパン入り内定のヌートバーは謙虚な男。異文化にも「日本の文化に敬意を払いたい」【WBC】

THE DIGEST編集部

2023.01.16

日本語にも「トライしている」というヌートバー。日の丸背負う気持ちは人一倍だ。(C)Getty Images

「失敗しないようにしたいね」

 日の丸を背負う誇りを説いたのは、セントルイス・カーディナルスのラーズ・ヌートバーだ。現在25歳の外野手は、日系人として初めて日本代表入りを果たす。

 3月に開幕する第5回WBC日本代表にヌートバーは、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)、ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)、鈴木誠也(シカゴ・カブス)、吉田正尚(ボストン・レッドソックス)に続く、5人目のメジャーリーガーとして内定。同国史上初の日系人プレーヤーとして、スポーツ界全体においても注目が高まっている。

 実力も上々だ。プロ5年目の彼は21年6月にメジャーデビュー。22年はシーズン途中からライトのレギュラーに定着し、108試合で打率.228、14本塁打、OPS.788の成績をマーク。MLB全体6位の四球率14.7%という選球眼の良さも売りで、栗山英樹監督からは「バランスのいい選手」と評されている。

 そんな強肩巧打の外野手は、日本代表入りに心を弾ませる。現地1月15日にカーディナルスのファンイベントに出席したヌートバーは、セントルイスの地元テレビ局『KSDK』などの取材に対し、「控えめな表現でも大変名誉なことだ。本当に、本当に興奮している。当たり前のことだとは思っていない」と興奮気味にコメント。そして、招集の舞台裏を明かした。

「彼らが昨シーズンに声をかけてきた。ミルウォーキーにいる時のことで忘れもしないね。彼らは『興味あるか』と聞いてきたから、僕は迷わずに『YES!』と言ったよ。そして、彼らは可能性を尋ねてきた。両親や私の資格についていろいろ聞かれ、すべてがクリアになった」
 
 日本代表について「正式に入れると分かったのは最近だ。昨シーズン中からチャンスはあると思っていたけど、あまり興奮し過ぎたくないと思っていたから正式に連絡をもらった時は嬉しかった」と正直に打ち明けるヌートバーは、自らがどんな貢献ができるかについても語っている。

「正直なところ、自分のことを"ゼロ・ツール・プレーヤー"だと思っている。自分には特別な長所はない。ただただ一生懸命にプレーして、最高のプレーヤーになろうと思っている。ファンを含めた日本代表がそんな僕を受け入れてくれたら嬉しい。もちろん、打席では粘って、守備では良いものを見せるつもりだ。とにかく一生懸命に頑張る」

 自分について「ショウヘイやマイク・トラウトや他の選手たちのように突出している訳ではない」と謙遜する25歳。気になる日本語については、「ちょっとはトライしたけど、新しい言語を1か月で学ぶのは難しいね(笑)」としながらも「母が日本の国歌を家で歌っているから、それを真似したりしている。僕は日本へ行って、彼らの文化に敬意を払うようにしたい。悪い印象を残さないようにね」と語った。

 代表入りにおごることなく、謙虚に振る舞ったヌートバー。そんな彼の姿勢は多くのファンに愛されそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

【関連記事】トラウト以上の打球と抜群の選球眼。侍J入り内定のラーズ・ヌートバーはWBC制覇の「秘密兵器」となるか

【関連記事】侍ジャパンの4番は誰が適任? 最強打者は何番を打つべき? 強打者揃いの日本が世界一を狙うには――【WBC打順予想】

【関連記事】【WBCメンバー序列予想】侍ジャパン28名の顔ぶれはどうなる?ポジションごとに各選手の役割をチェック
NEXT
PAGE
【動画】ファン大熱狂!ヌートバーが鈴木誠也が守るライトへ鮮やかなサヨナラヒット