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MLB屈指の巧打者クワン、侍ジャパン入りを認められずに本音を吐露「他のチームでは例外が認められている」

THE DIGEST編集部

2023.01.20

類まれなバットコントロールでヒット量産しながら、高い出塁率を誇ったクワン。メジャーで高く評価されたバットマンだが、侍J入りは断念せざるを得ないようだ。(C)Getty Images

 6年ぶりに開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けた侍ジャパンの陣容が見え始め、日々トレンドとなっている。

 栗山英樹監督が「チームが勝つという大前提のもとに」と厳選した今大会の代表には、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)やダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)、鈴木誠也(シカゴ・カブス)ら日本人メジャーリーガーの参戦が決定。さらに日系人プレーヤーとしては史上初となるラーズ・ヌートバー(セントルイス・カーディナルス)も選出。日本野球のグローバル化を図るうえでもカギとなるタレントが居並んだ。

 一方で惜しくも選外となった選手たちの中には興味深い存在もいる。とりわけ話題となったのは、クリーブランド・ガーディアンズのスティーブン・クワンだ。日系人の母と中国系の父を持ち、母方の祖父母は第2次世界大戦後に山形からカリフォルニアに移住したバックボーンを持つ彼も代表入りの可能性があった選手の一人だった。

 実力は代表入りをしてもおかしくないものがある。"ベイビー・イチロー"の異名を持つ25歳は、昨季にルーキーながら147試合に出場し、打率.298、出塁率.373というハイアベレージを記録。とりわけコンタクト能力は圧巻で、1901年以降では初となるデビューから4試合で15出塁を記録したほか、年間でコンタクト率91.9%という図抜けた数値をマーク。ちなみにこれはMLB全体2位の値だった。
 
 レフトでアメリカン・リーグのゴールドグラブ賞にも輝いたクワンにも、ヌートバーと同様に日本代表入りの誘いはあった。現地1月19日に米メディア『Nichibei』の取材に応じた本人のコメントによれば、昨年9月のエンジェルス戦の直前に大谷から誘いを受け快諾。さらに水原一平通訳らの助力を得て代表入りの可能性を模索し続けたが、11月に出場資格に関する問題が浮上。その後の状況改善に努め続けているものの「進展はない」という。

 25歳の巧打者は「MLBから出場のための資格をもらえなかった」と肩を落としている。

「これは僕の想像でもあるけど、自分、あるいは親が日本のパスポートを持っているかどうかが基準になっているんだと思う。でも他のチームでは例外が認められているのは知っている。だから、なんとか解決策が見つかるといいんだけど、現時点で僕は代表資格が認められていない。だから、すごく落ち込んでいるよ」

 今後の出場の可能性については「まだ交渉は続いているみたいだ」とするクワン。メジャーでも指折りの巧打者が代表に加わるとなれば、まさに鬼に金棒だが、はたして――。

構成●THE DIGEST編集部

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