プロ野球

森友哉と近藤健介の“FA”が評価のカギに。3連覇を目指すオリックスは山本由伸の流出に備えた動きを高評価【パ6球団補強採点】

西尾典文

2023.01.24

今オフのFA市場における目玉となった森(左)と近藤(右)。この球界屈指の好打者がそれぞれパ・リーグ内で動いたために、各球団の補強採点にも影響が出た。(C)THE DIGEST写真部

 プロ野球のキャンプインが迫り、各球団の補強もひと段落した印象を受ける。果たして今オフに的確な補強をしたのはどの球団なのか。即戦力と将来性、両面から採点してみたいと思う。即戦力については主力の退団のマイナスも考慮し、どちらも50点が満点で合計の満点が100点になるように採点した。今回はパ・リーグの6球団をクローズアップする

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オリックス:70点(即戦力:30点・将来性:40点)

 やはり吉田正尚のメジャー移籍は大きな痛手だが、フリーエージェント(FA)で西武から森友哉を獲得でき、主砲離脱のマイナス分を補えた印象だ。1月20日時点で新外国人選手獲得の情報が出てこないのは気がかりだが、ドラフトでも大学ナンバーワンサウスポーの曽谷龍平と、大学屈指の外野手である杉澤龍を獲得しており、総合値は30点とした。

 将来性はドラフト2位で大砲候補となる内藤鵬獲得は大きい。中日も3位で狙っていたという報道があったが、スケールを考えれば、2位という順位に全く違和感はない。また支配下、育成含めて将来性豊かな投手を多く指名しており、近い将来に可能性がある山本由伸のメジャー移籍にも備えている印象を受けた。
 
ソフトバンク:80点(即戦力:45点・将来性:35点)

 このオフの主役とも言える大型補強を見せたソフトバンク。FAで嶺井博希と近藤健介、外国人では日本で実績のあるロベルト・オスナとジョー・ガンケル、そしてアメリカ帰りの有原航平と次々とビッグネームを獲得してファンを驚かせた。それだけ優勝への本気度が伝わってくるが、満点としなかったのはエースの千賀滉大の抜けた点を考慮したからだ。メジャー通算防御率7.57と精彩を欠いた有原の調子が戻らないようであれば、その穴を埋めるのは簡単ではないだろう。

 ドラフトでは1位のイヒネ・イツアを筆頭に将来性を考えた指名に振り切った印象を受ける。ただ、ある程度の完成度を備えているのは2位の大津亮介くらいで、全体的に未完の大器が多い印象は否めない。育成への自身の表れとも受け取れるが、ここ数年なかなか世代交代が進まない実情を見ると不安も大きく、35点とした。
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森を流出し、高卒3人を獲得した西武の将来性は――