侍ジャパン

「打者を無力化できるか」韓国メディアが“史上最高陣容”の侍ジャパンに警戒。一方で「劣勢でも勝ってきた」と強気姿勢は崩さず

THE DIGEST編集部

2023.01.29

大谷(左)をはじめ、栗山監督(右)が発表した侍ジャパンのメンバーに対し、韓国メディアは警戒を強めている。写真:鈴木颯太朗

 去る1月26日、野球の日本代表を率いる栗山英樹監督は3月8日に開幕するワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に臨む代表メンバー30名を発表した。

 今月6日には、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)、ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)、鈴木誠也(シカゴ・カブス)ら12名を先行発表した61歳の指揮官は、この日の追加メンバーに吉田正尚(ボストン・レッドソックス)、ラーズ・ヌートバー(セントルイス・カーディナルス)らのメジャー組をはじめ、昨季セ・リーグで新人王に輝いた大勢(巨人)、パ・リーグでホームラン王に輝いた山川穂高(西武)など18名を招集した。

 会見の席で栗山監督は「全員で戦っていきたい。とにかく世界一になる」と強調。史上最多3度目の世界一に向けた覚悟を示した。

 侍ジャパンのメンバー発表は、同じプールBの相手である韓国のメディアも話題になっていた。韓国の日刊紙『朝鮮日報』は侍ジャパンのメンバーを見渡し、大きな警戒を抱いている。

 まず、投手については「メジャーリーグと日本球界の最高投手が名を連ねるなど、史上最強のマウンドを構築した」と高い評価を下し「ユウ・ダルビッシュ、ショウヘイ・オオタニのメジャーリーガーとヨシノブ・ヤマモト(オリックス)、ロウキ・ササキ(ロッテ)など最高の投手陣が揃う」と強力な先発陣を指している。

 また、どこからでもホームランが飛び出すような打撃陣には「夢のような打線を構築できる」と言及している。同紙は日本メディアの予想ラインナップを引用し、日本の打者全員を昨シーズンの成績をベースにひとりずつ詳細に説明する徹底ぶりで、日本打線を隅々まで分析していた。

 同メディアは「国際大会では相手をよく知らずに対戦するため、打者より投手が有利だ」としたうえで、「投手起用に長けたイ・ガンチョル監督が日本打者を無力化させれば、日韓戦は戦ってみる価値がある。常に国際舞台で韓国は劣勢と評価されながらも、日本によく勝ってきた。だから韓国は日本の宿敵、ライバルになったのだ」と締めている。
 
 2006年から始まったWBC。これまで日韓対決は幾度の激闘が繰り広げられ、2009年の第2回では日韓が決勝で世界一の座を争った。この試合は現地25日、MLB公式サイト『MLB.com』がランク付けしたWBCの最高試合でトップに選出されるほど、野球の目が肥えたMLB関係者も記憶に刻まれているほどの名勝負だ。

 ドジャースタジアムで5万4868人の観衆が見守った注目の一戦について、同サイトは「素晴らしい試合が行なわれた。2006年のWBCでは、日本が韓国を敗退させ、2008年の北京五輪準決勝では韓国が日本を破ったため、これは両国にとってのラバーマッチ(決着試合)のようになった」と説明し、「イチローがヒーローとなり、日本がWBCで2連覇を達成した」と振り返っている。

 はたして今大会のWBCでは、どんなシーンが生まれるのか。東京ドームの1次ラウンドで激突する日韓戦は3月10日に行なわれる。

構成●THE DIGEST編集部

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