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MLB

「打撃天国」が足枷になって9回連続落選…ウォーカーはラストチャンスで殿堂入りなるか?

宇根夏樹

2019.12.02

カナダ出身のウォーカー。ゴールドグラブ7度、97年に47本塁打&33盗塁を記録するなど、走攻守に優れた5ツール・プレーヤーだった。(C)Getty Images

カナダ出身のウォーカー。ゴールドグラブ7度、97年に47本塁打&33盗塁を記録するなど、走攻守に優れた5ツール・プレーヤーだった。(C)Getty Images

 全米野球記者協会の記者が選ぶ2020年の殿堂入り候補には、32人が挙がっている(結果は来年1月に発表される)。殿堂入りには75%以上の得票率が必要だが、75%未満でも5%以上であれば、翌年も再び投票にかかる。だが、候補にとどまることができるのは10度まで。ラリー・ウォーカーにとっては、今回が記者選出のラストチャンスとなる。

 前回は、エドガー・マルティネスが10度目の投票で85.4%の票を得て殿堂にたどり着いた。下表を見ても分かるように、ウォーカーの成績はマルティネスに勝るとも劣らない。

●マルティネス
試合  2055
打率  .312
出塁率 .418
OPS   .933
本塁打 309
盗塁  49

●ウォーカー
試合  1988
打率  .313
出塁率 .400
OPS   .965
本塁打 383
盗塁  230
 
 ちなみに打撃タイトルの獲得は、マルティネスが首位打者2度と打点王1度、ウォーカーは首位打者3度と本塁打王1度。ウォーカーは1997年にMVPも受賞している。また、マルティネスはDH出場が多かったが、ウォーカーはライトを守ってゴールドグラブを7度受賞した。総合的な貢献度を示すWAR(baseball-reference版)では、マルティネスの68.4に対してウォーカーは72.7と上回る。

 にもかかわらず、投票では9度ともウォーカーとマルティネスの得票率は10%以上の開きがあり、直近の3度は30%以上の差がついた。これは、本拠地の球場が影響している。ウォーカーは“打者天国”のクアーズ・フィールドを本拠とするロッキーズで9年半プレーし、タイトルとMVPはすべてこの時期に手にした。
 

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