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プロ野球

松尾、浅野の高卒大物野手に課せられる数値は!? 12球団ドラ1ルーキーたちの“目標”を考察【セ・リーグ編】

西尾典文

2023.02.21

今春のキャンプでは新人らしく精力的に動いている松尾。その野球センスは確かなものがあるが、ルーキーイヤーに達成すべき目標は?写真:滝川敏之

今春のキャンプでは新人らしく精力的に動いている松尾。その野球センスは確かなものがあるが、ルーキーイヤーに達成すべき目標は?写真:滝川敏之

 プロ野球のキャンプも後半に差し掛かり、実戦形式の練習や練習試合の話題も多い時期となってきた。そのなかでも注目度が高いのは、やはりドラフト1位ルーキーである。昨年は大勢(巨人)が一躍スターダムへと駆け上がったが、逆に2年目以降が勝負となる選手も少なくない。

 そこで今年のドラフト1位ルーキー12人について、それぞれ1年目の目安となる数字はどの程度かを、アマチュア時代のプレーぶりから考えてみたいと思う。今回はセ・リーグの6球団の新人たちを見ていく。

―――◆―――◆―――

<ヤクルト>
●吉村貢司郎(投手/東芝)
目指すべき目標=先発ローテーション入り。一軍で5~8勝

 即戦力として期待がかかる本格派右腕。昨年の春先は圧倒的な投球を見せており、3月のJABA東京スポニチ大会でもチームを優勝に導いている。夏場にやや調子を落としたが、10月に行なわれたヤクルトとの練習試合、その後の日本選手権ではしっかり立て直したところに、ポテンシャルの高さが見てとれた。

 オーソドックスな投球スタイルのため、ストレートが走らないと長打を浴びそうな心配はあるが、変化球と制球力も高レベルで試合を作る能力は高い。2桁とまではいかなくても、先発としてある程度の数字は期待したい。
 
<DeNA>
●松尾汐恩(捕手/大阪桐蔭高)
目指すべき目標=二軍で80試合、打率.250、10本塁打

 松川虎生(ロッテ)が1年目から一軍で戦力となっただけに期待も大きいが、チーム事情を考えるとまずは二軍のレギュラー定着が現実的な目標となる。ベンチマークとしたいのが内山壮真(ヤクルト)の1年目の二軍成績(74試合、打率.231、8本塁打)だ。

 捕手だけに、まずは守備が重要にはなるが、高い評価でプロ入りしたのはやはり打力があってこそ。特に飛ばすコツを心得ているのは大きな魅力で、甲子園でも度々見事なホームランを放っているだけに、「打てる捕手」を目指して二軍でじっくりと成長してもらいたい。

<阪神>
●森下翔太(外野手/中央大)
目指すべき目標=二軍で10本塁打以上。後半戦を目途に一軍でも本塁打を

 ヘッドスピードととらえた時の打球の勢いは今年のルーキーの中でも1、2を争う存在だ。ただ、一方で4年間のリーグ戦通算打率は.240と確実性には課題が残る。チームの外野陣と大学でのプレーを考えると、即レギュラーというのはやや考えにくい。

 課題である確実性の向上はもちろんだが、期待したいのはやはり長打力。二軍では最低でも2桁本塁打は期待したい。また後半戦には一軍昇格を果たして、プロ初ホームランを記録できれば、2年目以降に向けた大きな弾みとなるだろう。
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